第7話グッドコミュニケーション

「今日は何しよう?」

夏休みはまだまだ序盤、始まったばかりの7月下旬のことだった。

「なんだろ。ほのぼの過ごしすぎてあまり外に出てないね。外にでも行く?」

さらりの問いかけに提案の言葉を口にすると彼女は少しだけ渋い顔をした。

「夏休み始まる前は外に出たいって思ってたんだけど…ここがあまりにも居心地良くて…」

「そうだよね。冷房もあって快適だし…外は今日も酷暑だよ」

「ねぇ〜…今日も暑いよね〜」

他愛のない会話を繰り返しながら僕らはソファでだらけている。

「御飯食べる気も失せるよね」

「じゃあ今日はそうめんにしよう」

「おぉ〜良いねぇ〜食欲が失せた時には最適だからね」

同意の言葉を口にすると一度立ち上がりキッチンに向かう。

パントリーを開くが生憎そうめんの在庫を切らしていた。

「買い物行かないとダメっぽい」

「そっか…じゃあ行こうか」

準備を整えると歩いてスーパーまで向かう。

スーパーでそうめんと夕食の食材、アイスを購入して帰路に就く。

帰宅しながら購入したアイスを食べていた。

「夏になるとやっぱりアイスだよね」

「冬にもいいけどね」

「こたつに入りながら?」

「そうそう。贅沢しているみたいでなんか好き」

「じゃあ夏に冷房ガンガンで鍋とかおでんは?」

「それは…違うかな」

終始、他愛のない会話を繰り返しながら帰路に就くのであった。


昼食にそうめんを食べると食休みのためリビングのソファで横になった。

「なんかゲームでもしない?」

彼女の問いかけに僕はスマホを手にすると協力できるゲームを探す。

「これなんてどう?」

「いいね。早速やろう」

そこからアプリをインストールして数時間ほどワイワイと遊ぶ。

「さらりちゃんは夏休み中に友達と遊ばないの?」

「友達いないから」

「そうなんだ」

「雪見くんは?」

「僕も友達はいないかも」

「かも?」

「友達って思った人いないから」

「薄情?」

「そういうことじゃないよ。僕が相手に何かをするばかりで相手からは何もしてくれない。そういう相手を無条件に友達だなんて思えないでしょ?」

「ギブアンドテイクの関係じゃないってこと?」

「そういうこと。薄情って言われたらその通りかも。僕は友人関係を上手く構築できないのかもね」

「私もそうだから。他人に興味ないし」

「僕のことも?」

「それはない。雪見くんには興味津々」

「ありがとう」

今日もいつものようにコミュニケーションを深めると何でもない夏休みの一日が過ぎていくのであった。

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