第1話 マサラプロローグ

僕は今戦闘を遠くから見つめている状態だ~!


遠目で見てるけど、巨大なカマキリのガルキマサラは顔はちっちゃいけど、腕が大木くらいあって、そこに生えてる刃物のような鎌から切り裂く突風を出してて恐ろしい~!


4時間くらいしてもダンジョンから出られない~!


ただ、まだ戦ってる人たちはいる~!


誰も死んでないみたいだし、ちょっとガルキマサラもボロボロになって来た~!


さすがに50人以上が力をあわせて戦うと最下層の敵だとしても倒せるのかも~!


ただ、そのとき、こっちの方にガルキマサラが突っ込んで来た~!


ルルナが逃げ遅れて、僕も逃げ遅れた!!!


やばい!!!!


「きゃああああああ」





その後の記憶はあいまいだった~!


確かルルナが襲われて、僕は何度も何度もルルナを逃がすためにヤツの周りを飛び回ってた~!


いつの間にか、誰かがルルナのカメラを奪っていて、配信が流れて、ルルナ(ソフィーナ)のファンの人たちが僕を応援してた~!


> うおおおおおおお。隆起っ。逃げろおおおおおお。


> がんばれぇえええ。死ぬなぁああああああ。うおおおおおおおおお。


> ソフィーナちゃんを守れ!! 守ってくれ! 頼むぅうう。伊藤ぉおおお。



「ほ、ほら。相手は僕だろッ。こっちに掛かって来いっ。ルルナに寄るなっ」


「隆起っ。隆起っ。ごめんなさいっ。私弱くてッ」


「大丈夫だからっ。ルルナっ。逃げることに集中してっ。ほらっ。こっち来い。化け物っ。僕が相手だっ」


ヤツの繰り出すかまいたちが体をかすめて顔面が引き攣る~!


死の恐怖を感じながら、無我夢中で落ちた物干し竿を拾ってヤツに襲い掛かったんだ~!


ただ、ヤツの甲殻は固くて、一発で物干し竿がへしゃげて折れた~!


ただ、ルルナに対する攻撃が止んで、カマキリがグリンと顔を本格的にこっちに向けて鎌をこっちに振りかざして来た。そこで前に僕は出たんだ~!


僕はそのとき恐慌状態になっててブチ切れていて、カマキリの振りかざす鎌の腕にすがってカマキリの肩に乗って顔面に思い切り折れた物干し竿を突っ込んだ~!


僕の攻撃がおもいきり顔面にぶち当たった~!


しかも、目にだ~!


「あああああああああああっ。ぶっ倒れろぉおぉお」


僕は思い切り突き込んだ折れた物干し竿をえぐってやった~! 目から脳みそをひっかいたんだ~!


「ビぎゃるボぐがあああッッぶッッ」



気づくと血塗れでズタボロだった~! ルルナが僕を抱きしめて泣いた~!


「ありがとぉ。りゅうきぃ・・・。あなたのお蔭だわ・・・。大好きぃい・・・。あなたのこと・・・大好きなのぉ・・・」


「・・・大丈夫・・・。ルルナ。・・・大丈夫だから・・・」


「うわああああああん。大好き・・・大好き・・・ りゅうき・・・」


「・・・僕は・・・どんなときだって・・・君を守るから・・・大切な友達だから」


「私にとっては・・・友達以上よ・・・りゅうきぃいい・・・」




そして、その映像を誰かがカメラに捉えていた~!


僕がガルキマサラを倒したことが動画として全世界に流れた~!


僕はそのとき知らなかったんだ~! 僕がルルナを助けて、ガルキマサラを倒す映像が配信されて、それをライブで掲示板の人たちが中継していることに~!


掲示板は大盛り上がりで、僕を思い切り応援しまくってたんだ~!


それは僕が50人の冒険者から逃げて僕らを襲いに来た巨大な敵のガルキマサラに襲われているところから始まったんだ~!


【話題のヤツを語るスレVol.113】


412.無名の語り人

うわあ。やばい! やばい! 逃げて!


413.無名の語り人

人が襲われてる! カマキリのバケモンのヤツ、人を喰おうとしてる!


414.無名の語り人

うああああああ。女の子が捕まった。追い詰められてる!


415.無名の語り人

逃げて! 逃げて!


416.無名の語り人

高校生くらい女の子! たぶん初級クラスの子でしょ!?


417.無名の語り人

ああああ。食べられちゃう!!


418.無名の語り人

逃げて! 逃げて!


419.無名の語り人

あっ、でも待って。男の子がかばって逃がしてる・・・


420.無名の語り人

あっ、すご


420.無名の語り人

おおおおおおおお。


420.無名の語り人

神だ! ヤツは神だ! 


421.無名の語り人

どういうことだ? 動画の観れない俺に解説してくれ。誰か。


422.無名の語り人

解説。今、女の子がカマキリの化け物に食われようとしていた。それを同じ歳くらいの男の子がかばって逃がしまくってる。少年ボロボロ。血塗れ。


423.無名の語り人

解説 逃がしまくってから、物干し竿??? で、戦おうとしてる。あんな武器で・・・


424.無名の語り人

ムリ! 戦わないで! 物干し竿じゃ戦えない。


425.無名の語り人

ああああああ。武器が折れた!!!


426.無名の語り人

だから物干し竿じゃ無理だって。


427.無名の語り人

解説。物干し竿が折れた少年がガルキに飛び乗ってた。ガルキの鎌を振り下ろすタイミングで、腕にすがりついて、そこから肩に飛び乗って倒そうとしてるッ。


428.無名の語り人

ああああああ。倒した!!!


428.無名の語り人

倒した!!! 倒した!!!!


428.無名の語り人

すげえええええええええええええ





それが起こったのは今から3日後のことだった~!


僕はそれまでただの高校生だったんだ~! そこから僕のモテモテ人生が始まったんだ~!

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