第11話 ルルナのお願い
乙姫セリカを追い返して、僕はダンジョンに向かうようにした。
非戦闘職である図書館司書の僕でも戦えないことはない。
お金もそれなりにあったから鋼の剣を使ってゴブリンを狩る。
対人戦として玉石さんが仕込んでくれてるけど、徐々に動きがわかってくる。
玉石さんが色々と注意をしてくれる。
「・・・連続の戦闘を熟すこと・・・。無駄な動きをなくすにはとにかく数・・・」
「戦ってけば強くなれますか? 図書館栄養士の僕でも」
「・・・私は戦闘するときにスキル使ってない。・・・でも、Bクラスにいる・・」
「ほんとですか?」
「・・・そう。つまりはBクラスまでだったらスキルがなくてもなれる・・・」
やる気が出るなぁ。
つけ麺をルルナに奢る。
府中に美味しいつけ麺屋があって、お金がない暮らしだったけど、ずっと食べたかったんだ。
だから、ルルナには玉石さんも紹介してもらったから、奢ることにしたんだ。
「お礼がつけ麺でも正直うれしいわ。これってデート?」
「そんな。デートなんて誘えないよ」
「ふふ。まあ、いいわ。ありがとう。この店美味しいし、つけ麺私も好きよ」
「よかったぁ。何お礼にしようか色々迷ったんだよね」
「ふふ。美味しい。二人で食べるつけ麺って特別ね。ただ、あなた、乙姫さんのこと本気で気をつけるのよ?」
はは。いくら美人でも、自分を利用しつくそうという魂胆の女の子とは付き合えないと思う。
うーーん。つけ麺うまい。
テレビ局からまたオファーが来た。僕が乙姫セリカと炎上しているものだから。
話題を当てかって、何かクイズ番組に出て欲しいらしい。
断るべきかどうか迷う。
だって、テレビ出演ってすごいお金が動くんだ。玉石さんとボディーガード代もあるし。うちの家庭の今後を考えると。
玉石さんは言う。
「・・・でるべき・・・。お金が稼げないと強くはなれないから・・・」
「そうなんですか?」
「・・・自由になるお金と、自由になる時間が冒険者の強さ。・・・強い冒険者になるなら絶対的にお金は必要・・・」
色々考えてしまう。図書館栄養士として僕は戦って強くなることができるのか? ただ、Bクラスまでだったら、僕でもなれるって玉石さんは言うし。
「・・・出ます」
今度はブジテレビは配慮してくれたみたいで、クイズ番組の収録は録画で無事終了。
150万の出演料は魅力だ。
ただ、僕はクイズに全然答えられなくて、すごいカッコ悪い収録になった。
ただいいよね?
お金のためだし。これからの僕が戦って行くためにはお金があればあるほどいいかも知れない。買いたいものだってあるし。
そう思って、通帳の中のお金を考えて少しにんまりした。
そのとき、ルルナからLINEが届いたんだ。
ピロン♪📲
「ごめん。ちょっと今、私ピンチ。次のダンジョン中継、一緒に出てもらいたいんだけど・・・お願い。ガルキマサラをまた倒して欲しいの。今度は一人で」
ええええ?
そりゃ無茶だよ。ルルナー。僕が一人でBクラス50人と同等の力を持つ敵とやるなんて。なにか理由があるのかな? 話くらいは聞いていいかもだけど・・・。
「あなたがガルキマサラを倒してくれたら、私、あなたに大切なものをあげるわ」
ええええ?
大切なものってなに?
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