深夜徘徊
YOSHITAKA SHUUKI
深夜徘徊
明るい。
めっちゃ明るい。
すっごく明るい。
深夜のコンビニエンスストアを素通りして、公園に行った。
そこで夜も動く噴水に頭を下げた。
人目につかないように歩き出す。目的地なんてないよ。
怖い。
めっちゃ怖い。
すっごく怖い。
人の視線を掻い潜り、でも犬とばったり会ってしまった。
めちゃくちゃ吠えるじゃんこの犬……吠え過ぎ。
うるさいなぁ……。で、それから。耳を塞いで走った。
虫の羽音も聞こえない。
だから全然気付かなかったんだ。
目の前から迫る人の足音に。
少し前で気付いて物陰に身を潜め、息を殺す。
肌が寒気を覚える。
なんとかなってよ、見えないで、見えないで。緊張が走る闇の中。僕と誰かさんのかくれんぼがはじまった。
でもこのスリルがたまらない。
なんとか見つからずに事なきを得た。
ガッツポーズをして、立ち上がる。
でもその油断が、本当にいけなかった。
後ろから声がした。
振り返ると警察官だった。
警察官は僕に言った。
「あなた、服を着なさい」
そして僕は裸で深夜徘徊することを本日限りで禁止にさせられた。
深夜徘徊 YOSHITAKA SHUUKI @yoshitakashuuki
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