盗賊に襲われた女の子を助けたりする。
「んん…収まった…?ってここは…」
眩しい光が収まり目を開けると目の前には見たこともない景色が広がっていた。
先ほどまでとは違い、どこまでも広がる草原…澄み渡るそら…そこら辺にいる見たこともない生物…
元の世界と比較しても何もかもが違う。
「ほんとに来たんだ…異世界…」
もしかしたら夢かも…なんて思ってたけど…
そっか…私ほんとに一回死んで異世界に転生したのかぁ…。
なんかちょっと涙が…
「ハンカチハンカチ…ん?何これ…手紙?」
涙を拭こうとハンカチを取り出すためにポケットを探っていると見慣れない手紙が出てきた。
こんな手紙ポケットに入れた記憶ないんだけど…
「差出人は…アウラさん?」
『雪花さんへ。
この手紙を読んでいるということは無事に私の管理する世界へ転生できたということでしょう。
きっと元の世界との違いに驚いているんでしょうね♪
さてこの手紙ではあの場では出来なかった話を書きます。
まずその世界での雪花さんの役目ですが特にありません。
好きなように異世界ライブを楽しんでください。
次は付与したスキルについてです。
まず雪花さんが希望したスキルから説明しますね。
一つ目は《万能調理》
存在する全ての地球の料理を作ることが出来ます。
それに必要な食材も好きなように出すことが出来ます。
次は《真実の眼》
相手の隠していることを全て見抜くことが出来ます。
透明になっている相手や姿を変えている相手の姿も見ることが出来ます。
最後は《創生》
材料さえそろえばどんなものでも作ることが出来ます。
それが例え人間でも…おっとそれは言わなくていいですね。
残りのサービスで付与したものは身体能力を強化するものと
全魔法適正ですね。
今の私が関与出来るのはここまでです。
いつか私の力が完全に戻ったらそちらへ遊びに行きますね。
それでは。
あ、この手紙は読み終わっても爆発しないので安心してくださいね♪』
手紙を読み終わった私は静かに手紙をしまう。
「…私とんでもないことになってるなぁ」
なんか《創生》の説明の最後にとんでもないこと書いてあったような気がするけど…
まぁ見なかったことにしておこう。
それ抜きにしてもだいぶチート寄りだよね…。
絶対周りにはバレないようにしよう…。
「さてと…そろそろ行きますか…」
何をするにしてもまずは街を探さないといけない。
情報収集が最優先だからね。
ここからは街は見えないのでもっと行った先にありそうかな?
こういう時は馬車とかが欲しいけど…
今近くを通りかかるなんてそんな早々偶然あるわけもないし…
とりあえず適当に歩いてみるしかないかね…。
私は元居た場所から町の方向も分からずに適当に歩いてみる。
「これ…迷った…よね」
数分後…私は完璧に迷っていた。
さっきまで草原に居たはずなのになぜか森にいるし…。
まぁ土地勘はないしなんとなく迷う気はしてたけど…
「どうしよう…」
ここから戻ろうにもどっちから来たか分かんないし…
ほんとどうしようかな…
「きゃあああああああああああああああ!!!!!!」
「悲鳴…!?」
どうしようか悩んでいると女の子の悲鳴が聞こえてきた。
どこらへんから聞こえてるんだろう…?
助けに行きたいけど…間に合うかどうか…
でもそんなこと言ってる場合じゃない!なにか…
「そうだ。《創生》のスキル!あれを使えば…材料は木と土でどうにかなるか…」
私は地面に手を付けて作りたいものを想像する。
今欲しいのは周りの様子を確認出来るもの…
とにかく何でもいいから…!
「《創生》」
スキルを使うと触れていた土と木の一部がみるみるうちに変わっていって不思議な道具に変わる。
使い方は…なんとなく頭に流れ込んできた。
「…この近くで助けを求めている人は?」
そう訊ねると矢印が一定の方向を向いた。
「こっちか。」
私は矢印の方向へ走る。
「いやあ!離して!」
その先には身なりが豪華そうな女の子とそれに迫る二人の男がいた。
周りには少女を守っていたであろう兵士の死体が転がっている。
これは…万事休すって感じっぽいよねぇ…。
「へへっ!流石は王族様…相当な上物じゃねぇか…」
「アニキ!俺にも味見させてくだせぇよ!」
「まずは俺がヤッてその後で国王を脅して金をたんまり貰ってからなら好きにしていいぞ」
「へぇ…その話…私にも聞かせてよ。」
「テメェだれd…ぐふぉ!」
「私、運動神経良くない方なんだけど…流石神様の力ってところかなぁ」
前の世界にいた時よりも体軽くなってるし神様の力ってすごいなぁ…
「てめぇ!よくもアニキを…お前らもやっちまえ!」
トップをやられて怒った手下は他の手下と一緒に襲い掛かってくる。
ひー…ふー…みー…ああ…まぁたくさんか…
トップがあの程度の実力なら手下の実力もたかが知れてる。
「このガキが…!風よ。吹き荒れろ!エアウインド!」
「ふーん。それが風魔法か…試しに使ってみようかな」
「は…?」
「風よ。吹き荒れろ。エアウインド。」
私は風魔法を使って向かってきていた手下を一掃する。
「ふぅ…初戦闘だったけどどうにかなった…」
魔法ってあんな感じなのか…他にも試してみたいなぁ…
「あ、あの!」
「あ、ごめんね。大丈夫だった?」
「は、はい。あなたのおかげで助かりました。ありがとうございます。」
「でも私がもう少し早く来ていれば護衛の人たちも…」
「いやいいんです。彼らのことは残念でしたが…あなたのせいではありません。」
「まぁあなたがそう言うなら…」
「あ、まだ名前を言っていませんでした。
私はローレス=エラ=フレイローズです。」
「私は…セッカって呼んでくれると嬉しい。」
「セッカ様ですね。よろしくお願いいたします。」
「ローレスはどうしてこんな森に?」
「私はお父様から頼まれた用事を済ませて帰るところだったんです。
そういうセッカ様はどうしてこちらに…?」
「私は…街に行きたかったんだけど…迷っちゃって…
ここら辺には今日ばっかりだからさ…」
「まぁ…そうだったんですね…でしたら私と一緒に行きますか?」
「いいの?兵士は全員亡くなって…」
私がそう言うとローレスは少し残念そうな顔をする。
やはり兵士たちが死んだのは自分の責任だと思っているのだろう。
ちょっとデリカシーなかったかな…?
「外に出ていなかった運転手は無事ですから。大丈夫ですよ。」
「じゃあ…お言葉に甘えようかな?」
「よろしくお願いいたしますね。セッカ様♪」
こうして私は街までローレスと一緒することとなった。
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