のんびり異世界転生記

ゆゆ

プロローグ どうやら私は死んだらしい。

「たいっっっへん申し訳ございませんでした!!!!!!!」


目の前にいる女の人は全力で頭を下げてくる。


下げられてる理由はわかんないけど必死そうな感じがする。


「頭を上げてください。まずは謝ってる理由から聞かないと…」


「そ、そうですよね…すみません。まずは自己紹介からさせて下さい。


私はアウラ。ここの管理人であなたたちの世界でいうところの神様に当たる存在です。」


「アウラさん…神様…」


言われてみれば羽が生えてたり杖持ってたりなんか神様っぽい感じはする。


見た目ロリだけど。


というか神様ってほんとにいるんだ。


「あなたは上城雪花さんで間違いない…ですよね?」


「はい。私が上城雪花で間違いないです。」


アウラさんは私の名前を言い当てて見せる。


何で私の名前を知っているんだろう?


私名乗ってないんだけど…。


これが神様の力ってやつなのかな?


「改めて申し訳ありませんでした。私の不注意であなたを死なせてしまって。」


そう言ってアウラさんはもう一度頭を下げてくる


「あー。やっぱり私死んじゃったんですね。死んだときのこと覚えてないけど…不注意?」


「はい。雪花さんは階段から落ちて車に轢かれた後に雷に打たれてお亡くなりになりました。


本来ならこれらは全部罪人に与えるための罰だったんです。


それがたまたま道を歩いていた雪花さんに命中してしまって…。」


「そうなんですね。


で…私はこれからどうなるんです?天国か地獄に行くんですか?」


「…なんというか驚かないんですね。」


「なんか実感わかなくて。逆に冷静になってるんです。」


内心では割と驚いてるけど…まぁわざわざいうことでもないからね。


「…なんとなくわかりました。


改めましてあなたの今後について説明させてください。」


「その前に聞かせてください。


まずここはどこなんですか?なにも説明受けてないんですけど。」


「すみません!忘れてました!


ここは天国と地獄の間…転生の間になってます。


死んだ魂を転生させるに値するか判断する場となってます。」


つまりここを管理しているアウラさんは転生神って言ったところか。


「では改めて…上条雪花さん。あなたには私の管理している世界に転生してもらいたいんです。」


「アウラさんの管理する世界?元の世界じゃダメなんですか?」


「規則で一度死んだ魂は元々の世界には戻してはいけないことになっているんです。


出来るならば戻してあげたいんですけど…すみません。」


「規則なら仕方ないです。」


神様の世界にもルールとかがあるんだろう。


破ったら罰則があるとか…それなら仕方がない。


「それで間違って死なせてしまったお詫びにあなたの願いを3つ叶えます。」


「願い?それって何でもいいんですか?三つも」


「ええ。本来なら一つだけって条件なんですけど…今回は三回分死なせてしまっているので三つどうぞ。」


「うーん…」


何でも好きな願いって言ってもぱっとは思い浮かばない。


「こういう時、他の人はどんな願いをするんですか?」


「強い魔法だったり神の力を宿した武器だったりですかね…


まぁここ二百年はここに来た人自体いませんけど。」


「魔法?向こうにはそんなものがあるんですね。」


「ドラゴンがいたりエルフがいたりする世界ですからね。


当然魔法もあります。」


「私も使えたり?」


「適性を持っていれば使えるはずです。」


「適正を付けるのを願いにしてもいいの?」


「いいですけど…それくらいなら願い抜きでもいいですよ?」


「いいんですか?」


「ええ。なので他の願いをどうぞ。」


「じゃあ…料理を上手にしてください。」


「料理…ですか?」


「私、前世ではどう頑張っても料理が上手くなれなかったんです。


なので来世は料理が上手になりたいです。」


「じゃあ料理に関する能力を付与しておきますね。


あと二つはどうしますか?」


「そうですね…死にたくないので身体能力を上げてもらえますか?」


「それもサービスでやりますよ。こちらももう一回死んでもらうのは困りますし。


他に欲しい能力はありますか?」


「うーん。どうしましょう…」


正直これ以上欲しいものってないんだよね。


私は戦いを望んでるわけじゃないから強大な力とかいらないし…


なにか欲しいものかぁ…


「何でもいいんですよ?」


「じゃあ…相手の嘘を見抜ける能力が欲しいです。」


まぁ真実を見抜く力があれば何かと便利そうだからね。


「分かりました。最後の一つはどうしましょうか?」


「最後は…アイテムを製作する能力が欲しいです。」


「アイテムを製作できる能力…ですか?」


「はい。包丁だったりまな板だったりの調理道具を自分で作れればコスト削減になるかなって」


「わかりました。これで全てですね。」


「はい。お願いします。」


「ではこれからあなたを向こうの世界にお送りします。


改めてこの度は申し訳ありませんでした。


来世での幸せを願っております。」


「ありがとうございました。


ちなみに一つ聞きたいんですけど。」


「なんでしょう?」


「向こうの世界で私がやるべきことってあるんですか?」


「特にありませんので好きなように生きてください。」


「分かりました。」


「ではよい来世を」


アウラさんはそう言うと私に対してなにかを唱える。


すると私の目の前は光で包まれ、私の意識は途切れた。







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