98.おじさん、レベルアップ

[MVP報酬:”珠玉槌”を入手しました]

[レベル+2]

[クラスレベル+1]

[スキル:残刀を収得しました]


 ==========================

 ■ジサン

 レベル:152


 クラス:アングラ・ナイト

 クラスレベル: 50


 HP:3620  MP:612

 AT:1717  AG:2370


 魔法:フルダウン、スロウ

 スキル:魔刃斬、地空裂、陰剣、地滅、残刀、自己全治癒

 特性:地下帰還、巣穴籠り、魔物使役、魔物交配、状態異常耐性

 ==========================


(スキル:残刀を取得か……一度の戦闘で一回だけ使用可能……と。追加効果はリトーションみたいな感じか?)


 と、ジサンは精霊モンスターズの一角の能力を連想する。


「マスタぁあああ!!」


「っ……!」


 ジサンはその場で勝利後の結果リザルトを確認していると、観戦者が突撃してくる。

 観戦者はジサンに飛びつく。


「マスター! お身体は大丈夫ですか!? 痛いところなどございませんか!?」


 サラは半分、涙目で大切な物を触るようにジサンの身体をぺたぺたと触る。


「あ、あぁ」


「あんなこと言って、やっぱり心配だったんだね、サラちゃん」


 サラに続いて、シゲサト、ステファがやってくる。

 シゲサトは少し苦笑いしている。

 シゲサトの言う通り、サラはやはり心配であったのだ。信用と心配は同時に発生し得るものであるようだ。


「でも、おめでとうございます……! すごいです……オーナー……まさかこんなにあっさりと魔王ランクをソロで討伐してしまうなんて……」


 シゲサトは笑顔の中に若干の焦燥を浮かべながらも賞賛してくれる。


「あ、有難うございます……」


 そんなやり取りをしていると、ピロンという音がなり、通知が届く。


(……?)


 ジサンは何かと思い、通知を開く。


 ==========================

 ◆2043年3月

 魔王:メフィルジル

 ┗討伐パーティ:ああああ

  ┗匿名希望 クラス:アングラ・ナイト

 ==========================


(あ……)


 分かってはいたことだが、少々、まいったなぁと思うジサンであった。

 匿名とはいえ、また少し目立ってしまう。


「…………何じゃこれ」


 ステファは通知を不思議そうに眺めている。


「でも、最初に魔王ソロ討伐を達成したシゲサトくんには及ばないよ」


 通知に邪魔をされたが、ジサンは先ほどのシゲサトの賛辞に返答する。


「そう言ってくれると嬉しいですが……」


(……ですが?)


「いえ、何でもないです!」


 結果は確かに似ているが、内容には大きな隔たりがある。シゲサトはちょっぴり悔しかった……ので言わなかった。


「いろいろと何が何だかよくわからぬが、奴を倒したことで何があるのじゃろうか」


 謎の通知の意味もわからなければ、彼らの会話もわからない。

 そんな様子のステファが幾分、怪訝な表情で言う。


(……確かになぁ)


 何があるのかという点について、ジサンも同じことを思う。

 ガーディアンを倒せば、この森に関する何かの手掛りが見つかるかもしれない。そう思っての挑戦であったはずだ。


ガーディアン守護者というくらいじゃから、何かを護っていたということじゃろうが……」


「あそこにワープ床が発生してるよ」


 シゲサトが部屋の中心部分に発生していたエフェクトを指差す。


「鬼が出るか蛇が出るか……ひとまず行ってみるしかないかの」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る