04.おじさん、強くなっていた

 魔物使役により、ジサンのダンジョン攻略はより効率的なものとなっていた。


 単純にソロに比べて手数が二倍になり、ターゲティングされるリスクも半分に分散されるからだ。


 魔物を使用することのメリットとして、通常の仲間と戦う場合に行われる経験値分配が行われないようであった。

 仲間と戦ったことのないジサンはこの事実には気づいていなかったが、これが本人の成長を事実上、倍加させていた。


 ジサンは大型のモンスターは何となく邪魔なので、小型のモンスターを好んで使用していた。


 多くはスライム系や悪魔、妖精といった人型のモンスターを重用していた。


 モンスターも戦闘に出すとレベルが上がり成長する。


 しかし、経験値による成長よりも新型のモンスターをテイムし、配合する方が、より高効率で強いモンスターを得ることができたため、一体のモンスターを長く使うことはあまりなく、次々にモンスターを入れ替えていった。


 また、本人もテイマー以降も魔物使役を引継可能なクラスをいくつか転々としながら、レベルを上げていった。


 ゲーム開始からひたすら地下ダンジョンに潜り続け、87階層まで到達したジサンはユニーク・クラスを獲得する。


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 ■ジサン

 レベル:94


 クラス:アングラ・ナイト

 クラスレベル: 0


 HP:2040  MP:304

 AT:659   AG:712


 魔法:フルダウン

 スキル:魔刃斬、自己全治癒

 特性:地下帰還、魔物使役、魔物交配、状態異常耐性

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 アングラ・ナイトの特徴として、特性”地下帰還”により、ダンジョンの自己が到達した最下層までの移動が可能となった。


 これでジサンが外の世界に出ない理由であった”元の階層に戻るのが大変であるから”は解決された。


 クラス名に惹かれてとりあえずアングラ・ナイトになってみたものの、ジサンは特段、外の世界に用事はなかったため、その後もしばらくは地下帰還の特性を使用することはなかった。


 ◇


 アングラ・ナイトのクラスを得た頃、ジサンは珍しく来ていた通知を確認していた。


(第四魔王:アンディマ……討伐されたか……)


 世間では初めて魔王クラスのボスが討伐されたらしい。


(月丸隊……ツキハ……勇者)


 魔王クラスを倒すとパーティ名、パーティメンバー、クラスが公開されるらしい。


(……勇者とは……渋いなぁ……)


 魔王討伐のパーティが使用していたクラスは彼にとっては一昔前に選択を迫られたクラスであった。


 そのためジサンにとっては魔王討伐のプレイヤー達は上位のクラスを使用しない渋いプレイヤーに映っていたのであった。

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