03.おじさん、モンスター配合に凝る
ボスの難易度、及びその討伐報酬は常時、全プレイヤーに公開されていた。
<難易度><名称>
┗<報酬><説明>
第一魔王 ロデラ
┗魔具:時遡玉 任意の一名が時を遡行できる
第二魔王 ラファンダル
┗魔具:生命の雫 死亡した任意の一名を蘇生できる
第三魔王 ノヴァアーク
┗魔具:魔媚薬 任意の一名を使用者に惚れさせる
第四魔王 アンディマ
┗<非武装地帯> 一部の地域を人間の安全地帯とする
魔公爵 ワウカリ
┗魔装:筋肉鎧 攻撃力が大きく上昇する装備品
魔公爵 デスポトロ
┗魔具:反射石 一度だけいかなる魔法も反射する
魔公爵 ミシュラオ
┗魔法:ブラスト 光属性の強力な攻撃魔法
(省略)
魔公爵 ディミト
┗バス:首22 首都圏のバスを一ルート開通する
魔王ランクが最上級で四体の魔王が設定されていた。
しかし、ジサンはあまり興味がなかった。
当初は、興味がないこともなかった。
ジサンが通常ボス攻略に興味を失った理由は主に二つだ。
一つは、ボスは捕獲対象外であったこと。
彼の最大の愉悦はモンスター図鑑を埋めることであったのだ。
もう一つは、ダンジョンの外に出るのが少々、億劫であったことだ。
カスカベダンジョンには有り難いことに階層間に簡易的な生活施設が用意されていた。
ダンジョンから抜け出すのは専用のアイテムがあるため容易であったが、戻ってくるのはそれなりに大変である。
外で善良なプレイヤー達が人類解放のために戦っている時分、ジサンの中ではモンスターの配合がブームとなっていた。
モンスターの配合は彼にとって素晴らしいシステムであった。
モンスターボックスは各種族に対して一枠の固定枠があるが、余剰のモンスターを入れる枠は500しかなかった。
ジサンはテイムを始めて5日程度で余剰枠を使い果たしてしまい、以降は余ったモンスターは逃がすということをしていた。
配合が可能になったことでモンスターを無駄にすることなく、さらにレアなモンスターを手に入れることができるようになり、ジサンのモンスター収集の生産性は飛躍的に向上していた。
配合により生成されるモンスターは掛け合わせる種類と運による要素の半々くらいであった。
ハズレがかなり多いものの数打ちゃ当たる期待感もあり、彼の就寝前の日課になっていた。
彼は試行を重ねることで、ある程度の法則を発見した。
同ランク同士の配合をすると、稀に上のランクのモンスターが生成される。
例えば、CランクとCランクのモンスターを配合すると、多くはCランク、10回に1回くらいの頻度でDランク、100回に1回くらいの頻度でEランクのモンスターが生成された。
逆に違うランク同士のモンスターを配合しても上のランクのモンスター以上のモンスターが生成されることはなかった。
従って、基本的に同ランク同士のモンスターを配合していくことが効率的であった。
配合ができるようになっていた頃、ジサンはすでにランクI、J、K辺りまで野良モンスターをテイムできるようになっていた。
配合により、ジサンはこれまで入手したことのなかったランクL以上のモンスター三体を手に入れた。
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メテオ・グリフォン ランクM
ブルー・ドラゴン ランクL
フェザー・スライム ランクL
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ランクMとは外の世界のボス、魔公爵クラスに相当するレベルであった。
(AIが作ったゲーム、なかなかハードだな……未だ、一つのダンジョンすらクリアできずか……潜れば潜るほど、モンスターもより強力になっていくし……)
しかし、当の本人はこのように思っているのであった。
そんな頃、新たな契機が訪れる。
“クラス:テイマー”へのクラスチェンジが可能となる。
クラス:テイマーの固有特性”魔物使役”により、モンスターを一匹、連れて戦えるようになったのだ。
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