02.おじさん、モンスター収集に凝る

 ジサンが最初に捕獲したのは、マリモ・スライムというモンスターであった。


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 ■マリモ・スライム ランクC

 レベル:14


 HP:287   MP:80

 AT:52    AG:91


 魔法:なし

 スキル:まとわりつく、光合成

 特性:なし

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 モンスターにもレベルがあり、プレイヤー同様のステータスが用意されていた。

 そして、プレイヤーにはないランクというものがあった。


 マリモ・スライムのランクはC。


 このランクは良いのか悪いのか……


 彼はそれが気になり、次のモンスターをテイムした。


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 ■シルバー・ファング ランクE

 レベル:21


 HP:648   MP:67

 AT:65    AG:120


 魔法:アイス・ナックル

 スキル:噛り付く

 特性:なし

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 彼が次にテイムしたのはシルバー・ファング。

 明らかにマリモ・スライムよりは上級のモンスターであった。


 シルバー・ファングのランクはE。


 まさかのバストサイズ方式にジサンの中の何かに火が付いた。


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 マリモ・スライム  ランクC 4

 ミドチュウ     ランクD 12

 ムーン・スフィア  ランクD 6

 シルバー・ファング ランクE 2

 サラマンダー    ランクF 1

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 ジサンが初日にテイムしたモンスターだ。


 テイムするとモンスター図鑑に登録され、観賞できる。


 逆に言えば、それしかできない。


 だが、ジサンにとってはそれでも十分、楽しかった。


 初日、テイムできた最高ランクのモンスターはサラマンダー。


 ジサンはすでにこれよりも上級のモンスターを相手にレベル上げをしていたが、なかなかテイムすることはできなかった。


 彼らをテイムしたらどんなランクなのだろうかという気持ちが彼を支配した。


 ジサンはその後もより深い階層へ新たなモンスターを求め進んだ。


 浅い階層で低ランクのモンスターも捕獲したい気持ちはあったが、浅い階層には、別のプレイヤーと出会ってしまう可能性がある。


 ジサンは他プレイヤーとは極力、会いたくなかった。


 別のダンジョンに行きたいという欲求も多少あった。


 しかし、彼は最初に選んだカスカベ外郭地下ダンジョンにおいて未だ最下層へ到達していなかった。


 下層へ行けば、新たなモンスターが出現するため、ジサンはまずはこのダンジョンを攻略する方が得策であると考えた。


 彼が、このダンジョンが国内唯一の無限延伸ダンジョンであると知るのはしばらく後である。


 そんな彼に再び転機が訪れる。


 <ペットブリーダー>というクラスへのクラスチェンジボーナスで手に入れた特性<魔物交配>。


 これにより、彼のモンスター収集ライフはいっそう豊かなものとなる。

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