普段、百合を読まない(興味がない)人にもオススメできる作品。
青春・スポーツがテーマとしてあるので、爽やかさと甘酸っぱさが心地よいです。個人的にはぬるぐちょの百合より、憧れや信頼感から成り立つほのかな百合が好みなので、この作品はかなり刺さりました。
文章も空気感や疾走感が素晴らしく、やむなし1話で読書を中断して応援コメントを書いてしまいましたが、読み進めるのがとても楽しかったです。
応援コメントで一時読書を中断してしまった理由ですが、作者が陸上経験者らしく、その知識がクドくならずに作品に織り交ぜていたことによって『幼い頃に小説で未知の知識を得た経験』が大人になった今、再び体験できた喜びによるものです。大人になってからは知識は専門書・実用書、小説は爽快感などの感覚的な欲求を満たすものだと勝手に区分していました。しかし、この小説を読んだ今なら、その考えは間違いだったと断言できます。知識欲を満たすことは、とてつもない快感を得られます。
この作品を読んで、陸上リレー競技を検索しました。多分、このレビューを書き終わった後もします。
長々と失礼しました。とても素敵な作品でした。