第64話 株式会社WATA
「元気で何よりです」
「和也も元気で何より、てか、疲れたでしょ。コーヒー奢るよ」
「ブレンドお願いします」
「了解」
駅の改札を出て、近くの喫茶店に入る。
深夜一時を回った頃だ。
この時間帯でも、空いている店があるんだな。
「学校はどう?」
「まぁ、みんな、今の学校生活に不満はなさそうですよ」
「和也に任せてよかったなぁ。改めて、そう感じたよ。俺の目には狂いはない!って感じかな〜あはは」
「確かに、副会長の目に狂いはなさそうですね」
副会長は私立の大学である【海学大学】という、名門中の名門大学に所属している。
偏差値は脅威の70超えであり、模試ではいつもA判定が出るほど、副会長は頭が良かったこともあり、余裕で合格していた。
生徒会の特権として、推薦状を書いてもらえるのだが「推薦状を書いている、校長の時間が勿体無い」と強者のセリフを言っていた。
「大学はどうですか?」
「まぁ、単位は落とさないようにしてるよ。後は、引きこもってるけど」
「サークルとかは入ってないんですか?」
「一応入ってるけど、あんまり顔出さないかな。出しても『誰?』って言われるだけだと思うし」
「そんな言ってないんですか」
「入学当初から一回も行ってない」
「マジっすか、、、」
ある意味、副会長で安心した。
どこで感じているのかは、自分自身も謎だが、それはどうでもいい。
とにかく、会えてよかった。
ブラックコーヒーを飲む姿は、大学生そのもので、それ以上に努力を積み重ねてきた顔が際立っていた。
「和也は成績どうなんだ?」
「学年2位です」
「マジか、成長したな」
「かなり勉強しましたからね〜。前会長には負けましたけど」
「あいつは、努力と才能を掛け合わした、最強みたいな感じだから、才能に打ち勝てるほどの努力をしないと勝てないぞ」
「まぁ、いつか勝ってみせますよ」
「その時は、焼肉だな」
そんな、たわいもない話を3時まで続け、副会長の家へと行った。
★☆★☆★☆★
副会長の家に1日泊まり、一夜を明かした。
起きると、午前10時。副会長は寝ている。
俺は枕元に置いていたスマホを手に取り、いじっていた。
隣で寝ている、副会長が起きるのを待ちながら、俺は配信を見ていた。
朝の雑談配信を聴いていると、無性にコメントを打ちたくなるが、現在のアカウントでコメントを打ったら、ネットが大騒ぎになること間違いなし。
気持ちを抑えながら、配信を楽しんだ。
いつもなら、Tmitterをいじるのだが、なんせ無課金勢は制限があるので、難しい。
配信を楽しんでいる所、一通のメールが飛んできた。
【株式会社WATAへの加入の件について】
担当は有闇からだった。
新しい、事務所を立ち上げるのかな、、、?
そんなことを思いつつ、俺はその場で許諾のメッセージを送信した。
すると、契約書のPDFファイルが送られて来たので、それにもサインをして送った。
ブーブー
電話がかかってきた。
俺は部屋から出て、電話にでるとマネージャーからだった。
『健斗さん!仕事ですよ!』
『次はなんですか?』
『ネット小説、書いてみませんか?』
『ネット小説、、、?』
作家、八剣健斗の始動が決定した。
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