4章 前半

第63話 遂に来た!夏休み!

「生徒会も夏休み休暇を取ろうと思う」


「マジっすか」


「本当ですか?」


「大マジ」


7月19日、俺たちの篠原高校が終業式を迎えた。

今日は生徒会には全員出席しており、楽しく業務を進めている。

去年のデータを見ている限り、生徒会は夏休みも毎日登校らしいが、なんせ、俺は忙しいこともあり、1ヶ月の休暇を全員に取らせることになった。


俺は業務を終わらした後、すぐに新幹線に乗って、大阪まで行かなければならない用事がある。


急ぎではないので、ゆっくりと作業を進めていた。


夏休みにやらなければならない業務は、各自ノートパソコンで進めておくことになっている。


「生徒会室は来ていいんですよね」


「もちろん。職員室に行ったら、鍵がもらえる」


「暇なんで、私は生徒会室来ますよ」


「じゃあ、俺も行こうかな」


「副会長が来るんだったら、私やめておきましょう」


「俺、嫌われてる?」


生徒会室が賑わいを見せている中、ネットでは、それどころではない事態が起きていた。

そう、Tmitterの使用制限!

有料ユーザーにならないと、1日に閲覧できる呟き数を制限されてしまうという、いわゆる【ツミ廃殺し】というやつであった。


もちろん、有料ユーザーになるわけでもなく、無料だから使っていただけであって、そこまで執着するほどのことではないのだが、、、。


ーーー普通、気になるじゃん?


何度も何度も、開いていたら、すぐに制限に達してしまう。


まぁ、近日中に対抗馬らしき物もリリースされるみたいだから、そっちに以降しようかな。


そんなことを思いながら、作業を進めた。

いつもよりも、キーボードを打っていて楽しかった。


「よしっ!じゃあ、俺は先に」


「「「「お疲れ様です」」」」





★☆★☆★☆★☆★





俺はとある人の家に5日間滞在することになっている。

今回は仕事とかは関係なく、単純に会いにいきたい人に会いに行くって感じだ。


生徒会室からでた俺の足取りは軽く、そのまま家に直行した。

そして、前日に用意していたスーツケースを持つ。


「少しの間、家よろしくね」


「毎日電話していい?」


「いいよ」


しょんぼりとした顔から突然、パッと明るい顔になる。

ドアを開け、外へ出る。

この約束の為に、俺は一学期を頑張ったと言っても過言ではない。


あの人に、現在の学校状況を会って伝える。


駅へ電車を乗り継ぎ、向かう。

今日は終電ギリギリに大阪に向かい、駅までとある人が迎えに来てくれることになっている。


抑えきれない興奮を胸に、俺は駅へ着々と向かっていった。


「よっし、ついた」


午後9時、駅に着いた。

20分後に新幹線が駅に着く。

それまでに、晩御飯用の弁当や飲料水などを買っておかなければならない。


自由席なので、早めに着いておいた。

2時間弱、立ちっぱなしは地獄そのもの。

絶対に席は取っておきたい。


「9時25分発、、、」


新幹線がホームに着き、それに乗り込む。

比較的空いていたので、出入り口に近い席をとった。

後は、新幹線に乗って、大阪へ向かうだけ。


謎に緊張してきた俺は、座席に座りながら、何度も座り直す。


ーーーどうしてるかな。


そんな言葉が脳に浮かんできた。

まぁ、元気にはしていると思うけど。


2時間半の新幹線の旅は、体感では4時間ほどの感じるぐらい、退屈だった。

途中からトンネル続きだった。




★☆★☆★☆★




「久しぶりです。副会長」


「副会長はよせよ(笑)もう、副会長じゃないんだから」


「そっちの方が、言いやすいので」


「まぁ、それでも俺はいいけど」


そう、俺の会いたい人は、大阪の大学へ行った、副会長なのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る