特別編 星屑のような人生になりたい。

有闇化現象!←オワコン化

あの、星屑のように輝いていただけの俺が、突然一等星になった時。

俺の周りにはファン、そう、星屑が沢山ついた。

一等星はいつまでも輝き続けなければいけない、義務があり、星屑のように、一つ一つ数えられないものではない。


夜空の中で一際目立つ一等星。


ーーー星屑のように、気楽でいたかった。


活動期間中は毎日のように、そう思った。

活動を再開してからもずっと。


目を覚ましても、見える景色はいつも同じ。

変わったことと言えば、再始動を気に木葉の暴言が少し減ったことぐらい。

以前よりは威力は増していることは、さておき、単純に話すことが少なくなった。


リアルでの仕事も溜まっており、生徒会の仕事は特に多い。

そして、最近はドーム公演の準備の都合上、マネージャーの仕事が回っていない時があり、俺が予算を整理したり、管理したりなどをしている。


裏方は春人に頼み、後は死ぬ気でこなす。


「しんどい、、、」


体調不良を起こしても、やるべきことは、休んだ分だけ溜まる。

要するに俺は、負のスパイラルに陥っていた。


休みがあったとしても、それも全て、生徒会の残業で消えてしまう。

激務のせいか、最近は睡眠の大切さが身にしみてわかるようになっていた。


これを『有闇化現象』とでも呼ぼう。


誰かが後に助けてくれるわけでもない、ただ一人で耐え忍ぶだけの、超重労働。


ーーー星屑のようになりたかった。


今日もまた、深夜の夜空を見上げ、そう感じる俺なのであった。



★☆★☆★☆★



有闇化現象が深刻化する中、俺は今日も学校に登校。

部活動などをして、青春を謳歌している連中に何故か、腹立たしい気持ちを抱いてしまう。


俺はこれだけ努力していると言うのに、、、。


周りは悪くないのだが、単純に俺の問題なのだが、、、。


何故か俺はこれに対して、気に食わない。


そんな文句をぶつぶつと心の中で呟きながら、生徒会室に行く。

今日は一番乗りのようだ。


「エアコン、つけといた方がいいよな」


除湿に設定し、エアコンを起動する。

そして、30分もすると、部屋は快適な空間となり、生徒会メンバーが続々と入ってきた。

今日は直人と菜沙が一緒に登校、勝と優斗が共に登校。


「勝、今日は来たんだな」


「まぁ、もちろん」


「先輩、最近来てなさすぎますよ?」


「後輩から注意されてる(笑)」


「草」


「先輩、来てませんからね〜」


「優斗まで、、、」


確かに、ソシャゲという大切な用事のため、いつも生徒会をサボっている勝。

副会長としての仕事がたくさんあるのに、それをすっぽかして、いつも俺が代わりに仕事をやっている。

学年2位の頭脳をフル活動させる。


「そういえば、後少しで中間テストですね」


「確かに、4月の後半だからな」


「嫌だァァァァァァ、、、」


「生徒会メンバーは全教科90点以上を目標とするように!」


「「「「は〜い」」」」


今回の目標点は、もちろん全教科100点。

生徒会長としての、威厳を保つべく、知力は必須と言っても過言ではない。

しかし、最近の俺は、勉強などする人がなく、おまけに有闇化現象まで促進している。


ある意味、無敵と化したのであった。


そんな、俺を片目に、自分の机で勉強を始める菜沙。

偉すぎる。


「2年生のテストがどうなるかわからないんですよね、、、」


「一年と対して変わらないから、大丈夫」


「え?マジですか?じゃあ、楽勝じゃないですか」


「お前が言うと、本当に楽勝に聞こえてしまう」


「実際のところ、そうだから仕方がないじゃないですか」


「否定はできないな、、、」


そんな中、俺は目を擦りながら作業を進めた。

ブルーライトすら俺にとっては脅威になりかけている今、必死に目を開けて作業に取り掛かった。



★☆★☆★☆★



生徒会の仕事が終わり、帰路を辿っていた時。

あたりは暗く、夜空は美しく輝いていた。

月明かりも今日は好きなく、星屑が綺麗に輝いていた。

一等星の周りの星屑は、一等星の光で薄くなり、存在があまり認知されない。


だから、一等星の周りにいる星は、いつ消えてもわからない。


配信者だってそうだ。

いつも、裏方をやっているマネージャーから春人に変わったって、いつもと違うことには全く気づかない。


しかし、その星屑は、一等星の存在感を顕著に表すものであり、星屑の存在が大きければ大きいほど、一等星の光は弱い。

そして、二等星へと降格する。


ネットの世界ではいつもそう、すぐに【オワコン化】という、ワードと戦い続けなければいけない。

いつどこで、見放されるかもわからない世界。


いつまで、一等星でいられるかなんてわからない。

話題作りを必死にやって、ようやくの話だ。


ーーー星屑になりたい。


今日もまた、深い眠りにつく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る