第45話 待ちに待った春休み←休ませるなんて言ってない
「ということで、生徒会は春休みは毎日くるように!」
不満の声が上がるのを覚悟しながら言った。
「まぁ、そうなると思ってたし」
意外とそんなことはなかった。
新生徒会になり、気分が高揚しているのもあるが、一人は前回からの引き続きなので、少し安心している面もある。
現在は全員が生徒会室にいる。
今回のテストで、俺もようやく生徒会の仲間入りを果たした。
ちなみに、俺の学年順位は2位。
一位は言うまでもなく、前会長。
俺と3点差だった。
テスト終わりに話していると『本気出せば、できるじゃない』と言ってくれた。
普通に努力を正当に評価してくれる人がいて、俺は涙がこぼれそうだった。
『次は私を超えるかもね』
あの一言を聞いた時、少し、いや、かなりの自分への自信と期待が沸いた。
目指せ1100点でこれからも勉強を続けようと思う、いいきっかけになった。
そして、生徒会での活動は、前までとは変わらない。
俺はTmitterの運用と、総会への顔出し。
会計への連絡や初期との、揉め事への仲裁など。
やることは、これから山積みとなっている。
勝は今日は親戚の葬式で、ついさっき帰った。
後輩である、直人と菜沙は机で勉強をしている。
流石、秀才たち暇があれば勉強をする。普通に尊敬した。
「会長、生徒会のメンバーで、今度、どこか食べに行きません?」
提案をしたのは、菜沙だった。
「みんながいいって言うなら」
「僕は大丈夫ですよ」
「僕もです」
「じゃあ、副会長にも言っておくな」
「「「は〜い」」」
「あと、優斗。今日から敬語な」
「もちろんですよ、だって生徒会長ですからね」
やばい、癖になりそう。
【会長】と呼ばれるのに対して、俺は快感を覚えていた。
敬われているというか、今までの自分とは違うような感じがして、たまらなかった。
「直人、俺のこと呼んで」
「会長」
「もう一回」
「会長」
「やっぱり、最高」
「お〜い、会長。直人に引かれてますよ〜」
その後は、各自作業に取り掛かった。
★☆★☆★☆★
「和也くん?最近エナドリ飲んでないでしょ」
「うん、飲んでないよ。健康的な生活送ってるし」
「テスト終わったんだし、奢ってあげる」
「やった、ありがと」
俺の大好きなエナドリの味【ディープドクター】の500ml缶を買ってきてくれていた。
この味は、レモンを基本とした味で、すっきりとした後味が最高なエナドリ。
昔から、レモンが大好きだった俺が最初に出会った、運命的なエナドリでもある。
プシュッという、開栓音と共に乾杯をし、体にエナドリを流し込む。
スッキリとした味に、心まで整頓されるような気がした。
「クーポン持ってる?」
「持ってるよ!一本120円で買える、クーポン。2枚あげようか?」
「うん、貰っとく」
チラシの切れ端についているクーポンをもらい、それを財布に入れた。
生徒会の冷蔵庫に何本か、ストックしておこう。
毎日飲むわけではないが、非常時のために買っておいて損はないだろう。
まぁ、まずその考え方がおかしいのかもしれないが、それはもうどうでもいい。
今はただ、エナドリを体に染み渡らせることに専念することにした。
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