1章 前半
第1話 超人気配信者に家凸されたのだが
「朝に弱いって言ってるくせに、アラームかけないとか正真正銘のバカ?なんで私が毎朝起こしにこなきゃいけないの?」
「おぉ、朝から調子が良さそうなご様子で」
「殺すよ、、、?」
黒髪ロング、身長は中学生にしては少し小さめの145cm。
俺の妹である【北条
偏差値は70越え、定期テストは5教科490点以上が当たり前。
そんな、俺とは正反対の性格と学力をしている。
母は、毎朝6時に家を出て、働きに出ている。
そうでもしないと、俺たちの学費や食費を払えないそうだ。
物価高騰化中の世は、俺がTmitterでいただいた案件の金と母が必死に働いた金でギリギリ生活ができている。
朝から暴言が出てきたこの北条家では、今日も一日が始まる。
木葉は毎朝俺の朝食の準備、弁当の調理をしてくれる。
完璧と言っていいほどの妹だ。
「今日も美味いな」
「急になに!?いつもそんなこと言わないのに!?褒めても何も出ないわよ!」
「褒めただけで、そこまで疑われるのか。俺の信頼も地に落ちたものだな」
木葉は制服に着替え、リビングにある大きな鏡で、髪の毛をセットしていた。
生徒会長をやっている身として、身だしなみは超重要だと言っていた。
ここまで完璧にすると、逆に気を抜いた時に、いろいろ言われそうで怖いわ。
「木葉、生徒会はうまく言ってるのか?」
「私が生徒会長で上手くいってないわけがないでしょ。その小さな頭少し使ったら、そんなことぐらいバカでもわかるわ」
「へいへい、、、」
絶賛反抗期中の妹に話しかけるのも困難な中、俺は木葉との朝の会話に花を咲かせようと頑張る。
正直、毎朝配信者の朝配信を見ながら準備したほうが楽しいのだが、見ながら準備をしていると「話しかけてよ!」となぜかキレてくる。
それに対し「はいはい、お兄ちゃんがかまってあげますよ〜」なんて言ったら、首を絞められて一発KOだろう。
俺もバカではないので、そんなことを口を滑らしても言わない。
「兄ちゃんも学校どうなの?友達いる?どうせ中学の時みたいに、いないと思うけど」
「うるせぇな。俺は自分の精神力を考慮して友達を作ってないだけで、俺のメンタルがもう少し強かったら、友達なんて山ほどいるわ。俺のコミュ力を舐めんな」
「私が小学校の時、兄ちゃん嘘ついてたもんね。中学入った時にびっくりしたよ」
「それは、俺たちが私立に行ったからだろ?小学校の時までは友達の一人や二人いたんだからな、中学になって変わった」
「お前も、中学でそのまま上がらなかったら、高校で痛い目みるぞ」
「私の学力的には
学力が高すぎて世間では【進学校】を【神学校】と書かれるぐらいだ。
定員数も毎年強気の100人に絞られているし、面接でも一回しくじったら即落ちると聞いたことがある。
木葉にとっては学力もその学校に見合っているので、入りたい気持ちがあるのもわかる。
しかし、木葉は毒舌ということもあり、俺がいうのもアレだが、友達ができにくい性格だ。
今、木葉が友達と呼んでいる人は3人ほどしかいない。
それに、俺は兄として不安を抱くのもおかしくはないだろう。
「じゃあ、私は学校n、、、」
ピーンポーン。
家のチャイムが鳴った。
この時間帯は配達業者の人も、こないはずだ。
一体誰が、、、?
「はーい!」
そう言って、木葉が玄関を開けた。
「木葉ちゃんじゃん!お兄さんいる?」
「え!?美鶴さん!?なんで家に、、、」
「え?お兄さんから聞いてない?私たち、付き合うことになったんだ!」
元気よく爆弾発言をする美鶴に対し、木葉、驚きのあまり硬直した。
前髪が風によって、崩れた瞬間に木葉はリアクションを見せた。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!え!?いいんですか!?こんな、クソキモオタクぼっち兄ちゃんで!?!?!?!?!?!」
「ぼっちは余計だ。いや、全て余計な気もするが」
「あ、いたんだ!」
「わたn、いや、七海さん、僕はまだ付き合うって言ってませんからね」
「照れなくてもいいから〜」
「照れてませんよ!!!!」
ニヤニヤした表情を浮かべる彼女は今日も可愛かった。
お隣さんだということもあり、木葉と美鶴がよく遊んでいたことは俺も知っている。
しかし、突然家にくることは今までなかった。
おまけに、俺目当てでの訪問は。
「和也くん!学校行くよ!」
「今から出ると、学校着いても時間余りますよ」
「遅刻気味の和也くんにはたまには早く行ってもらいます」
そんなこんなで、超人気配信者が俺に家に凸って来ました。
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