オタク趣味な俺、幼馴染と付き合った結果、開始1時間で振られました。その後、超人気配信者と付き合い、人生エンジョイします。

@kanae_kaki

プロローグ

「俺と付き合ってください!」


12月25日夜8時。

誰もが最高のシュチュエーションを作り上げ、各々の気持ちを伝える日。

そう、クリスマス。


俺の名は【北条ほうじょう 和也かずや】。

人生初の告白を幼馴染である【金沢かなざわ 夏美なつみ】にした。


彼女は黒髪ロングの大人しめな性格。

俺以外の男子とはあまり話したことがない。

典型的な清楚系というやつであった。


「和也くんなら、、、よろしくお願いします、、、!」


告白が成功した。


ーーーそう、この時は考えもしなかった。


「よかったら、俺の家、こない?」


「え?いいの?」


「家に親いないけど、大丈夫?」


「大丈夫だよ!」


ーーーまさか、こんなことになるなんて。


俺たちが家に着いたのは、付き合ってから1時間後のことだった。


「お邪魔しまーす!そういえば、和也くんの家に来るのって、小学生以来だよね?」


「そうだな」


俺の部屋がある、2階へと二人で上がった。

この時、正直俺は期待していたのかもしれない。

性欲というのは、時に人生を狂わすものだと。


「久しぶr、、、」


「どうした?あ」


完全に忘れていた。

部屋には大量のアニメグッズ。

壁にはちょっとあっち系のポスターなどが貼っていた。


「キャーーーー!!!!!オタク無理!無理無理無理無理!!!」


え?

あ、そっち?


予想していた幻滅のされ方と違い、俺も驚きを隠せない。

そういえば、オタクってこと言ってなかった。


中学2年の時に見たアニメでどハマりし、それ以降買う小説全てがラノベになった。

現在、ラノベだけで1000冊は超えている。


「ちょ、待って!」


「ごめんなさい!私、オタク無理なの!金輪際近寄らないで!」


そんなに拒否しなくても、、、。


そして、夏美は俺の家を出て行ってしまった。


オタク趣味なだけで、俺は彼女を失ってしまった。

いや、オタク趣味だからだ。


悶々とした気持ちのまま、俺はパソコンを開いた。


【なやぎ】フォロワー 12万6000人。


Tmitterツミッターという、SNSのプロフィール画面だ。

一般的にはインフルエンサーと言われるぐらいのフォロワー数だった。

特に配信などはせず、ただただ自分の思ったことを呟いていたら、これだけのフォロワーになった。


《前にも言っていた子に告白したら、開始1時間でフラれた》


そう呟くと、1分後には100を超えるコメントが来ていた。


《私だったら、絶対にふらない!》《やなぎんをふるなんて最低がやることでしょ》《大丈夫?》

などの、俺を慰めてくれる人や夏美を批判するようなコメントが来ていた。


ーーー夏美は悪くない、僕が悪いんだ。


正直、そんなことはさらさら思っていなかった。

オタク趣味を否定する奴が悪い。


俺の思考はそっちへと向いていた。


ふと、俺は夏美のTmitterプロフィール画面を開いた。

すると、2分前にこんなことがツイートされていた。


《例のオタク君ふったから、これで安心してユージ君と付き合えるよぉ〜》


《ユージ》という、見たことも聞いたこともない名前に、俺は引っかかった。

アカウントを特定すべく、俺は高校からの唯一の友人である【大友おおとも まさる】に連絡をした。


『ういっす、和也。フラれたからって俺に電話してきたのか?』


『いや、違う。特定してほしい奴がいるんだ』


『またそれかよ、、、。今回もめんどくさい系のやつ?』


『すまん、正直どんなやつかもわかってない。アーマニと関わっている一人の男を探してほしいんだ』


アーマニとは、夏美のTmitterアカウントの偽名のこと。

彼女のアカウントのフォロワー数は約3000人程。

俺と比べれば、まぁまぁになってしまうが、俺も初めての頃は、3000人を突破した時は喜んだ。


一般的に見ると、多い方だと言っていいだろう。


『名前は?』


『ユージ』


『おっ、そいつ知ってるぞ』


『かなり問題なやつなのか?』


『あぁ、いろんな女とワンナイトしてるらしくてな。NTR系の事件で、俺がそいつの身元を特定するようにって、興信所から言われてんだよ』


『お前、興信所から依頼されるって、実力つけたもんだな』


『まぁな』


つまり、俺は寝取られたって判断でいいんだよな?

いや、俺が寝とったのか?


考えるのがめんどくさくなった俺は、この件を後に回すことにした。

ユージの身元が特定できると、俺も動きやすいが、それまではTmitterでも動くのは良くなさそう。


俺は慎重にことを進めることを決意した。


『俺は必ず復讐するぞ』


『ひえっ、フォロワー12万人越えの人がいうことは違いますね〜』


『当たり前だ、からなず後悔させてやる』


その時、パソコンに一件のDMがきた。

基本的に、DMは返さないようにしているが、企業からの案件のみ、返すようにしている。


ーーーどうせ、出会い系だろうな。


そう思いながら、DMを開いた。


《私と付き合いなさいよ》


超人気配信者|紐苗《ひもなえ 美鶴みつる》。

Tmitterのフォロワーは脅威の300万人越え。

世間では《なえちゃん》や《みっちゃん》などの愛称で親しまれている。


『なぁ、勝?もしも、紐苗 美鶴に付き合ってほしいって言われたら、お前はどうする?』


『おい、まさか、、、お前、、、!』


『じゃ、よろしく〜』


『俺、ファンなんですけどぉぉぉぉぉ!!!!!』


プチッ。

勢いよくきった電話は、勝の叫び声を一気にかき消した。


《でも、ファンの皆さんとか、そういうことは、、、》


俺はそう返すと、10秒もしないうちに返信が返ってきた。


《隠しとけばいいのよ》


《あの、ぶりっ子キャラで有名な紐苗さんからそんな言葉が出てくると思ってもいませんでしたよ》


《うっさい》


《ほら、そんなことも》


そして俺は、正式に人気配信者と秘密の関係を持つことになった。


《例の子に復讐するんでしょ。手伝ってあげる》


《え?なんでそれを、、、》


《東側の部屋の窓側来て》


俺は、自室とは正反対側の部屋に移動した。

そこは、3年前、事故で他界した父の部屋だった。


父の部屋の窓際にいき、窓を開けると、隣の家の二階が見えた。

部屋のすぐしたには、庭があり、隣の家とは距離がある。


「お〜い!」


隣の家から手を振っている女性が見えた。

白髪のショート、誰もが憧れるような体つき。


「同じクラスの、、、誰でしたっけ?」


「覚えておいてよ!【七海ななみ 美鶴】!」


俺は知らなかった、こんなにも有名人が、隣の家に住んでいて、しかも同じ学校に通っていることを。


「昔から君のことを知ってるんだよ。大好き」


初めて体験した。

こんなにドキドキするんだ。


告白って。

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