第9話 〜決戦の日……ルイーネの正体が発覚!?〜

 俺やフィル達は、レミーティアの先導で俺の兄がいる魔王城へと向かっていた。


ただ……俺らは、、兄と話し合いに来たわけじゃない。殺し合いに来たのだ……。


 俺が死ぬか生きるかは……ここに懸かっている。


そして、魔王城に着いて……軽々と魔王の部屋まで、着いた。

 まるで、何かの罠が仕掛けられているかのように…。


 そうして……俺は、嫌な予感をしながら……。

レミーティアが扉を開けた瞬間……

開口一番に開いた言葉によって……フィル達には新たなる壁が出現する事となる。


 それは、目の前の兄ではなく……

多分、俺のこの先の″問題″が……。


「やぁ、弟よ。

活躍は見てるぞ……? あぁ、ちゃんと皆には……

誤魔化してると思うが、俺には分かるぞ?

その片方の腕・足・眼は順調なのかい?」


 そう言った兄に言われた俺の心の中は……

『━━━━余計な事を言ったな』

と、殺気ダダ漏れだった。


フィル達は……困惑と言うより……。

心配の方が勝っていたのだろう。


 そりゃ、そうだ……。

こういう事を聞かれてしまったら……誰だって心配になるだろう。


「はぁ〜……。バレちゃ仕方ないな。」


 俺は、本来の姿を見せる。

姿はそのままだが……

左足も左腕も真っ黒い……否、漆黒の状態で、

左眼には眼帯を付けた姿を……見せた。


 フィル達は……絶句をしていた。

すると……魔王 ルイーネ・ムンラルトは、、大爆笑をしていた。


「フハハハハ!!!

滑稽だよ……まさか……

″先代魔王のせい″でこうなるとはな!!」


 ━━━フィル達は、怒りに身を任せてしまったのか……攻撃をしようとした。


 だが、それをレミーティアが呆気なく止めてしまう。


「邪魔するなァァァァ!!」


 フィル達は……冷静な判断ができないまま、

武力魔法 武力強化タケミカヅチを強化させた。


 だが、レミーティアはそれを受け止めながらも黙る。レミーティア自身もそうしたくは無かったのだろう。


 ━━━━俺は、古代魔法……時空間クロノスではない能力で、世界の時を止める。


勿論……動けるのは、俺と兄の魔王 ヘルフリート・ムンラルトだけだ。


「ほう? 先代魔王の呪いと、能力が……君の体に馴染めて今は、そんなに強くなったんだね?」


「あぁ……。これまで……ずっと研究してたしな?

ヘルフリート・アイリスの存在を隠してまで、影で扱えるようにしてたからなぁ〜。」


 魔王の呪いと言うのは……先代魔王、マーベラス・アルリリスを1人で圧倒し、倒した俺……ヘルフリート・アイリスは、そのマーベラスの最後の悪あがきで、俺の体半身が魔王の呪いにより……漆黒色に染まってしまった。


 魔王の呪いにより……

マーベラス・アルリリスが持ってきた固有能力である2つは今……俺の中にある。


 本来……上手く行くのであれば俺はUランク

つまり、UNKNOWNまで到達していたのだ。

 ……だが、この体のせいで、親の財力とその親の財力で協力してもらったのにも関わらず、殺した親不孝のヘルフリート・ムンラルトのせいで、S留まりだった。そこから、別の街で別名で名乗っていたのにも関わらず……実名であるヘルフリート・アイリスがバレるまでは、良かった。


 ……だが、片方の件は隠しきれたはずで、

やっと、Zランクまで言ったのに……

このクズ兄貴は、それをバラしてしまった


 ちなみに、能力を明かすと

禁忌能力【十三の獄】と超回復の覚醒能力……零無限である。


 十三の獄は、13個ある地獄の次元の事を表してる能力。


次元名は……宇宙、開闢、混沌、改竄、天界、煉獄、氷獄、悠久と感情、熾天使、堕天使、神、魔王、拒絶の13個。


 そして、零無限は……

零は、ありとあらゆる事象を無にする能力。


無限は、大気中にある無限を操作する能力。


 この2つの能力が……俺の体に呪いとして埋め込まれてあった。


「……まぁ、弟よ。

まだ、焦る時ではない。

こいつらと遊んでやれ」


 ━━━すると……ヘルフリート・ムンラルトから魔法で召喚されたのは、あいつが今まで殺した実験体の魂を融合させ、負の感情で出来た使い魔……

魔獣 キメラ・ムンラルト。


 この家族は、弱い奴らには実験体にする習性があった。弱い者は、無理やりでも強くならせて……家族として認めさせる。


 だが、それで暴走したら強い者の敵となり、殺される。


 それでも暴走もせず、強くならずに弱かったままだと……完成するまで実験体。


 なんて、恐ろしい家族なんだ。


━━━━本当に……虫唾が走るよ……。


 まぁ、最終的にはクズの兄が殺したんだがな?


 俺はこうして、始まった……。

第1章の終わりへと繋がる最後の戦いが……

今、火蓋を切ったのであった。


 この先の事は……まだ、誰も分からない物語……。

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