第23話

「自重しよう」って思った時もありました。



とんでもないマジックバッグを作ってしまった日から一週間が経ちました。

あれから、付与術と錬金術にハマってしまった俺は冒険者ギルドよりも商人ギルドに通っている。


 マジックバッグも時間停止なしの二メートル四方のマジックバッグを作って売っている。

正直に言うと、屋敷が買える額くらいには貯金が溜まっている。あまり、売りすぎると悪目立ちするから適度にって感じだ。ただ、最近になって気になる事がある。



「はぁー。また、つけられてる。最近、俺の事を監視している連中がいるんだよなぁ。なんで?」


 商人ギルドで、マジックバッグやポーションなどを作って売っていたらこんな感じで監視みたいな事をされるようになってしまった。



「暫くは、商人ギルドに行くの辞めて冒険者活動を再開するかな?」



 久々に冒険者ギルドに行くと、ヒナノさんに声をかけられた。



「ハルト!ちょっと、こちらに来て下さい!」



「えっ!?ど、どうしたんですか!?」



訳も分からずに、ヒナノさんに腕を引っ張られながらいつもの部屋に通された。

 何となくだが、これは怒られるパターンだな思うけどなんで怒られるのかがわからない。いろいろと考えていると扉をノックする音が聞こえた。



「失礼します。おまたせしました。」


ヒナノさんが入ってくると後ろからサブギルドマスターのゴーウェルさんとギルドマスターのエーファさんが入ってきた。

ギルドマスターのエーファさんが話し始めた。



「ハルトくん、よくもやってくれたなぁー!!こっちが影でどれだけ悟られないように行動をしてたと思ってるのよ!それを、あんな堂々と活動するなんて!」


 エーファさんは、俺が思っている以上にかなりお怒りモードだった。



「えっ!?俺、何かやっちゃいましたか?」



「ハルト、この一週間の内に君がやっていた事は何かな?言ってみなさい。」


サブギルドマスターのゴーウェルさんが静かに話し始める。

 俺が、一週間の内にやっていた事は商人ギルドにアイテムを作って売っていた事ぐらいだけど、まさかそれについてかな?



「えーっと、商人ギルドでアイテムを売っていました。まさか、それについてですか••••?」




「「それについてだ!」」



二人して叫ばなくてもいいじゃん!それが悪いことなのか?



「商人ギルドにアイテムって売っちゃダメなんですか?」



「商人ギルドにアイテムを売ることについては問題はないよ。ただ、ハルトくんが売っていたアイテムが問題なの!」



 俺が売っていたアイテムが問題?体力回復ポーション、魔力回復ポーション、マジックバッグなどそれ以外にもいろいろと作って売っていたけど何がダメだったんだろう。



「体力回復ポーションと魔力回復ポーション、マジックバッグとかダメでしたか?あっ!冒険者ギルドの方が使うからってことですかね?」



「違うよ!いや、違わない?のか?じゃなくて、マジックバッグの事よ!ダンジョンでも、そんなに頻繁に出てこないものを、あなた何個売ったと思ってるのよ!そのマジックバッグはどこから手に入れたのよ!」



「あっ!そうか〜。マジックバッグかー!でも時間停止機能は物を売ってましたけど?」



「「•••••」」


 俺の話を聞いていたエーファさんとゴーウェルさんが黙ってしまった。



「あ、あのー。大丈夫ですか?」



「「!?」」



「ちょ、ちょっとまって!今の話だと、まるでマジックバッグをハルトくんが作ったみたいにきこえたんだけど?」



「はい!俺が作りました!」



俺の話を聞いて驚いていたがどうしたんだろう?



「えーーーー!ハルトくんが作ったの!?しかも時間停止機能は付けてないみたいな事を言ってるけど、まさか時間停止機能付きのマジックバッグも作れたりするの!?まさかよね!?」



「えっ?作れますよ?」



「ゴーウェル!!今すぐにハルトくんをSランクにするわよ!!」



「了解です!ヒナノに今すぐに手続きさせます!」



ゴーウェルさんが、素早く動いて部屋を出て言ってしまった。




そして、俺はSランク冒険者になった。

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