第24話

 エーファさんとゴーウェルさんが言うには、マジックバッグを作れるのは国内でも三人しかいないようで、時間停止機能は世界中を探しても俺しかいないとまで言われてしまった。

だから、エーファさんもゴーウェルさんも驚いていたのかと納得してしまった。



「ハルトくんは?君はとてつもない偉業をなしとげた事を理解しているのかな?それと、ハルトくんは狙われている事に気がついているのかな?」



「狙われている?あっ!もしかして、最近よくつけられたりしてたのってそれですか?」



どうやら、商人ギルドでマジックバッグを売り捌いていた事によって狙われていたらしい。



「つけられていることには気がついていたんだね•••。狙われていた理由は、マジックバッグを何処から入手しているのか、ハルトが何者なのかっていうのを探っていたんだろうね。向こうが動く前に来てくれて助かったよ。」


エーファさんが言うには、ベテランの冒険者や優秀な若手冒険者などが貴族の護衛などで引き抜きにあっているらしい。最近は、優秀な若手をどんどん引き抜かれているため、冒険者ギルドは困っているらしい。

 Sランクになると冒険者ギルドが保護化する事ができるようで、貴族でも簡単には引き抜きをする事ができないらしい。

 

「ようするに、俺の事を狙っているのは貴族で引き抜きをするためってことですね!?ギルドとしては、俺を引き抜かれる前に保護化にしたってことですか?なるほどね~。」



「ハルトくんは、理解できていない。君の能力を貴族が知ったらヤバイよ。だから、もう商人ギルドで商売をやらないほうがいい。商人ギルドは、貴族との繋がりが強いからね。」



「ありゃ、わかりました。」



どうやら、知らない間に貴族に俺の情報が筒抜け状態だったらしく、もっと詳しく探るために調べられていたらしい。

 


「ところで、ハルトくんが作ったマジックバッグを見せてくれないかな?」



おや?エーファさんは、俺のマジックバッグに興味があるらしい。エーファさんだけかと思ったらゴーウェルさんも興味があるみたいだ。

これは、期待に答えなきゃダメだよね。よし、アイテムボックスに封印した例のやつを出さないとだよね?



「いいですよ!俺の自信作です!三十メートル四方で時間停止機能付きのマジックバッグです!!」


あれ?折角、出したのに二人共どうしたんだろう。何にも話さずに、時間だけが過ぎる。



「ハルトくん?聞き間違いかな?三十メートル四方って聞こえたんだけど?」



「ギルドマスター、私も三十メートル四方と聞こえました。歳はとっても耳だけは自信があったのですが•••歳は取りたくないですなぁ。」



「いや、二人してどうしたんですか?三十メートル四方であってますよ?でも、これ魔導具屋で聞いてみたらヤバかったんで封印していたやつですよ!」



「「自重しろーーーーーー!!!!!!!」」

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