第13話

「マスター、ハルトをBランクに上げたほうがいいと思いますよ。これは、ギルドにとっても利益にも繋がります。あと、ハルトを利用しようと考える輩からも守る事にもなるかと。」



 ギルドマスターには、優秀な冒険者がいれば特例でBランクに上げる事が出来るらしいが、まさか自分が特例でBランクになる話になるとは思いもしなかった。



「ゴーウェルが言いたい事はわかった。確かに、ハルトのスキルは謎だらけだが、利益が大いにデカ過ぎる。よし、ハルトくんをBランクに昇格しよう!ヒナノちゃん、更新よろしくね!」



 何だろう。この微妙な感情は。ギルドマスターが幼女(年齢はハルトより年上)なのに、ハルトくん呼びがむず痒い。ヒナノさんは《ちゃん》呼びなんだなぁ。と思いながら、自分が特例でBランクになると考えるとどうしたらいいのかわからなくなった。



「えっ?俺、最近やっとDランクになったんですよ?それがBランクだなんて••••••••••••••」



「ハルトくん、Bランクになるとこちらにも利益があるんだよ~。そ•れ•は!指名依頼が出来るんだよーー!君のスキルは、未知数だ!だが、クズだった古びたダガーが疾風のダガーに変化して、隠密のバンダナまで簡単に手に入れるだなんて尋常じゃない!疾風のバンダナは、ギルドで買い取るが隠密のバンダナは、オークション行きだな。少しだけしか流せないが。」



「エーファさんは、俺に何をさせようとしてるか何となくわかりました。頑張りますのでよろしくお願いします!」







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 ハルトがギルドマスター室から出たあとのギルドマスターとサブギルドマスターは話し合いを始めた。



「ちょっと!何なのあれ!?初めて何だけど!あんなに興奮したの!!あの子、強すぎじゃない!?あの子って、たしか烈火の剣に入ってたのよね?」




「いや~。流石に俺も驚きました。あれは、こちらで保護した方がいいです。特に、あいつらにしれたら利用するでしょう。烈火の剣は、たしかBランクのパーティーでしたな。しかし、Aランクになるにはです。」




「そうね~。そのうち、ハルトくんにはSランクになって貰わないと!貴族なんかに取られてたまるもんですか!」


 優秀な冒険者は、尽く貴族の護衛として引き抜きにあい、冒険者ギルドは貴族に対して敵視の対象でもある。それは、王族に対しても••••。



「貴族連中がしったら、間違いなく引き抜くでしょうね。だから、ハルトにはSランクに早くなってもらいましょう!」


 冒険者ギルドは、国とは独立した組織であるが貴族に対して強く言えない事がある。それは、冒険者が貴族の護衛に入るか入らないかは冒険者が決めることだからだ。

 Sランクになると、冒険者ギルドが保護化する事になるので、貴族が個人に勧誘するのではなくギルドに交渉してギルドがハルトに伝えて貴族の護衛に入るか入らないかを決めることになるのだ。もし、それを無視して直接勧誘すれば、冒険者ギルドを敵にますことになるのだった。

 こうして、ハルトの知らないところでSランクにするための話し合いが始まるのだった。





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