第9話 亮ちゃんの転職
「まな、
なんで、マスターが知ってるの?
「まな、歌えば人生が変わるわよ、今まであなたに声をかけなかった人が声をかけてくれるようになるわ」
由利さんまで……。
「大丈夫よ、まなに合うドレス持ってるから、貸してあげる」
由利さん、ニッコリ笑って言う。
知らないところで私の事まで、呼び捨てにされてたのよ。
亮ちゃんが私のことをあちこちで、家のまな、まなって、私の話をする事が多いらしくて、何度恥ずかしい思いをしたか……。
その頃、亮ちゃんは、ある国家資格を取ろうとしていた。
その資格を取って、転職をしたいというのが亮ちゃんの希望だったの。
亮ちゃんは、職場のことは何も話さなかったし、今まで亮ちゃんの気持ちを考えてもみなかった。
でも亮ちゃんは、全然気にしない人だから、直ぐに人の輪に入れちゃうんだ。
私は苦手……小さなころから、手を差し伸べて貰うのを待ってるような子供だったのよ。
私は一大決心をして亮ちゃんに言ったんだ。
「私も働きに出ようか……?」
それを聞いた亮ちゃん!!
「馬鹿を言うな!! また余計な事を考えて病んだらどうするんだよ? やっとみんなから一年前のまなの表情が変わってきたって、言われる様になったのに。俺が働くから、まなは家にいろ」
亮ちゃんは、当てがあるって言うのよ。
亮ちゃんの出る発表会が一か月後に迫っていた。
その一か月後には、また違う発表会。
良く人前でそれだけ、歌えれるよね?
「俺は、あがったことは無いんだよ」
はい、はい。口癖ね。
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