第4話 車を取り上げ⇒引籠り主婦の出来上がり
「連絡しといたぞ、花屋には……もう行けないってな。お前の症状を言ったら、心配してくれてお大事にってさ」
とうとう、西さんの所の花屋を辞めることになった。
午後からの出勤にしてもらったり、おばさん達とできるだけ顔を見ないように西さんも配慮してくれたけど、もう限界だった。
意味も無く、ワーワー泣いてる私に西さんもお手上げだったみたい。
結局、亮ちゃんから退職の電話を入れてもらったの。
自分では、怖くて出来なかった。
一つ、胸のつかえが降りた。
花屋に電話を掛けると亮ちゃんは、仕事に行った。
私は、また寝室に戻って、もうひと眠り。
この前の、自殺の練習に懲りて、睡眠剤での自殺は絶対しないと心に決めたの。
だって、発見された時の状況がアレよ!!
もう、死ぬ気は失せてたってものじゃない。
この頃は、たまにフラッと隣の県の大型のショッピングモールに行くのが楽しみだった。
いつか、仔犬が飼いたくて。
ペットショップに、仔犬の赤ちゃんを抱かせてもらいに行ってたの。
ところが、その帰り道で自損事故を起こしてしまったのよ。
アパートまで帰って来て、駐車場に入れる時に、助手席側のボディをガン!!とね。
幸い、修理できると聞いて安心した。
そうしたら、亮ちゃんが言ったの。
「当分、車は止めておいた方が良い。」
だって!!
それに、ガソリン代もくれなくなった。
「寂しいから、せめて仔犬を抱いて癒されようとしてるのよ!!どうして分かってくれないの!?」
「家にいて、好きな事をしてるだろう。ガソリンが無くなるのは、遠くまでまなが行くからだし、行って、
強い口調で亮ちゃんは言った。
気付かれてたんだ。
私は、小さい頃からの喘息持ち。
大人になって、発作が出なくはなったけど、仔犬の毛は、気管支を狭くさせていた。
でも、私は寂しくて外に出たかった。
数日たって、車はピカピカになって戻って来た。
でも私は、その日の内にまたやってしまったのよ。ドカンと2回目。
しかも、同じ所を。
亮ちゃんには、自分から言った。
「車は、もういらない」
亮ちゃんは、黙って廃車の手続きをしてくれた。
そうして、引き籠り主婦の出来上がり。
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