第3話 自殺の練習
「私だって、死にたいって思った事はあるよ」
ほのかちゃんが休みの日に私の家に来てくれた。
夜に泣きながら叫んでいたそうだ。
覚えていないんけど……。
それで、次の日にパートを休んで、来てくれたの。
「パート先のビルの屋上から飛び降りたら、楽になれるかなってね?」
「高いのは嫌、怖いんだモン!!」
「良くそれで、死にたいなんて言うね」
「だから、冬に樹海に行くの。そこで貰った薬をたくさん飲めばいちころよ」
「変なの寄って来るよ」
ほのかちゃんは真面目な顔で言ってきた。
「変!?」
「そう、樹海で自殺しようとした人がカメラを持って行ったのよ。それで最期の時にシャッタをー切ったの」
「何か写ってたの!?」
私……そういうの弱いから……。
ほのかちゃんは怖そうな顔をして頷いた。
「レンズに四人ほど覗いた顔が写ってたそうよ」
(きゃーー!!)心の中で叫び、背筋が寒くなってしまった。
武者震いをする私を見て、
「分かった!?そんなところで死んでも、直ぐには見つけてもらえないからね」
慰めてくれたのか、脅してくれたのか、ほのかちゃんは帰って行った。
私の思いは、晴れなかった。
その夜、ちょっと試してみようと思ったの。
死にたい訳じゃないのよ。
あくまで練習よ。
増えてた薬の量を二日分飲んでみた。
もちろん、亮ちゃんには内緒でね。
別に普通に寝ただけだった。
夢も見ずに。
ただ……次の日のお昼まで寝ていた。
亮ちゃんには、気付かれないようにしたから、また、まなは起きれないんだなと仕事に行ったみたいなの。
気持ち良く眠れたのだけど……
私は、トイレに駆け込んだ。
とても恥ずかしいことになってた!!
結果から書くと、赤ちゃんと同じ状態よ。
お漏らしプラスうんちまでしていた。
クスリを二日分飲んで、寝ただけなのにこの有様 !?
私は、愕然とした。
それで、私は考えた訳……
樹海で死んで運よく早く見つけてもらえても、お漏らし状態……
恥ずかしすぎる……
生きてた方が、マシ。
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