第30話 コンビニ
そんな決意をしたところで、次のインタビューまで3日空くこく事実は変わらない。
小説や漫画みたいに、次の章でなるさんと再び語り合う!みたいになれたら楽なんだけど、現実では、メインイベントまでの消費するだけの時間に耐えなければならない。
生きていくには働かなくてはならないので、変わらずキャバクラで愛想笑いを振りまく。
集中できていないので、自分では、あまり良いサービスができていないと思っていた。
しかし、オーナーが褒めてくれた。
「そう!サラは、そういうキャラだよ!」
頑張ってみたらダメだしされて、こなすだけの仕事をしたら褒められた。
私は、他の仕事はしたことがないけど、世間の社会人の皆様も、同じような手応えのない結果に戸惑ったりするのだろうか?
頑張り方を変える必要があるのかもしれない。
周りの人達を参考にしてみよう。
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お姉ちゃん。
結構分かりやすい。
なるさんからのインタビューで気づいたけど、他人が喜ぶことが自分の喜びになっている。
ナナさん。
自分が気に入った人・物のためだったら労力を惜しまない。
詐欺師。
自分の利益を最優先。
利益とは、イコールでお金だ。
数字という目に見える価値を追いかけている。
丹羽さん。
才能のある小説家の味方だ。
書けなくなった小説家を無理に書かせるのではなく「待つ」という1番難しいことまでできている。
今、やっと動き出した小説家の側をウロウロしているキャバ嬢にまでケアをしてくれている。
なるさん。
・・・正直に言うと分からない。
面白い小説を書くことに価値を見出していると言えば綺麗なんだろうけど、あの人、そこまで小説が好きなんだろうか?
なんだか、憎むべき対象なのではないかと感じたことが何度かある。
本屋さんデートをした時に、たくさんの本を買っていたから読むのは好きっぽいけど、自分で書くのも好きだとは、私が、私如きは判断できない。
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そんなことを考えながら、家路につく。
そうだ。
夕飯・・・という名の朝食を買っておこう。
こんな時間に空いているのはコンビニくらいしかないから、いつだって明かりがついている夜の人間の味方どあるお店に入る。
夜勤の店員さんのやる気のない「いらっしゃいませ」も嫌いではない。
私のコンビニを歩くルートは大体決まっている。
エナジードリンクをチラッと見て、お菓子コーナーで駄菓子をあさる。200円くらいの分をカゴに入れて、パンコーナーで新作をチェックする。飲み物コーナーで炭酸を見繕う。弁当コーナーで中華っぽい弁当を見る。最後にレジに設置されているカウンターフードを見て、流石にカロリーを気にしながらも誘惑に負けてチキンを買う。
って感じだ。
毎回、想定していたよりもお金を使ってしまう。
よく、そんなんで太らないなと思われるだろうが、実はこの私、週に3回はジョギングをしている。
明日はお休みだから、走るつもりだよ。
そう自分に言い訳して、カロリー計算が怖い商品を抱えて店を出る。
明日は、ちゃんとするから。マジで。
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