ロアのダンジョンソロ攻略配信②
最奥へ辿り着き、残すはボス戦のみとなっている。ロアのあまりの殲滅力に余力を残しすぎての到達となった。
「ではボス戦です。渋谷のダンジョンボスは明確な個体ではありません。最初に大量のモンスターが召喚され、一定時間経過毎にモンスターが追加されます。召喚されたモンスターが殲滅できた時点で第二段階へと移行し、倒したモンスターが融合したキメラとなって出現します」
「時間をかければかけるほど難しくなってくボスってことですね」
“普通モンスター大量に出てきたら、全部倒せば終わりと思うじゃん?”
“渋谷のダンジョンの攻略回数が少なめなのはこのボス戦のせい”
“上層、中層で無双して気持ち良くなるくらいで丁度いいのよ”
“尚被ると争奪戦になる模様”
渋谷のダンジョンの嫌なところがこのボス戦なのであった。早々に倒し切る、これがボス戦の攻略法なのである。
「因みにモンスターの融合は10回分までだそうですよ。その後は召喚はされるけど融合には含まれないみたいです」
「そうなのですか?」
「ああ。昔素材大量にゲットできるしと思って4人に頼んでさ。1体だけ残して召喚させまくってを何回も繰り返したら素材が倍手に入るんじゃないかと思って」
「なるほど。召喚されたモンスターを倒した時と融合して出現した時とそれぞれで素材が入手できるからですか」
「そういうこと。100回繰り返してって頼んでたから間違いないはず」
「マスター……」
“アホがいますw”
“ロアちゃんが引いてるとこ初めて見たwww”
“100回はバカだって”
“やる方もバカでしょ”
“マサに頼まれたらやる気出しそうなバカが1人……”
“草”
“なんだかんだ「え? 無理ならいいけど」って言ったら全員「できらぁ!」って言うタイプの人間だからな”
“渋谷のボス戦100回モンスター召喚させるまで終われません”
“クソ企画”
“割と人でなしの所業よ?”
コメント欄の反応は散々だったが、無理もないのかもしれない。融合されたモンスターの数に応じて強さを増すため、わざわざ強くして戦う探索者などいないのだから。
それも100回分ともなれば、あり得ないほどの強さになっていた可能性もあるというのに。
それだけ村正が4人の強さを信じていたと言うべきか。
「今回は早々に終わらせます。では行きましょうか」
ロアは淡々と進めるべく、扉を押し開ける。
松明に火が灯り明るくなった後で部屋の奥に魔方陣が30個描かれる。30体の多種多様なモンスターが召喚された。
「
対するロアは虚空から細長い四角の砲口を出現させる。
「掃射」
モンスター達が襲い来るよりも早く、ロアの号令で光線が放たれる。モンスターは一瞬にして消し飛び、30体全てが消失していった。
“一瞬で草”
“火力たっか”
“階層毎に違う武器使ってるから、幅広さもエグい”
“凪咲ちゃんと同等の加護って言うわけだわ”
あっさりと第一段階が終わり、一際大きな魔方陣から30体がぐちゃぐちゃに混ざり合った巨大なモンスターが現れる。
「では次の武器を。
10門の砲を格納して、代わりに1つの巨大な兵器を出現させる。
“レールガン!?”
“きちゃ!”
“あるとは思ってた”
“近代兵器の申し子”
“結構前に実現されてるんだけどな”
“ワイのアイデンティティが;;”
“?”
「発射」
コメント欄の盛り上がりに応えるべく、レールガンを発射。
電光と共に発射された弾は瞬く間に敵を貫き、身体の8割を消し飛ばして大きな風穴を開ける。残った部分も溶解していた。
“うっわw”
“ここで一番の火力”
“レールガンってスッゲー”
“深層ボスも呆気なくワンパンかぁ”
“ロアちゃんも富士山で通用する戦力になったのね”
“おめでとう”
“改めてだけど、良かったね”
コメント欄は威力に驚愕し、ロアの強さを称賛する。中にはロアが戦闘でも役に立てるようになったことを言及するモノもあった。
「ありがとうございます。最後になりますが、『デウス・エクス・マキナ』の語源となった事象にまつわる能力もあります。ただその能力はどうしようもなくなった時にしか使えませんので、お見せすることはできません。これからは戦闘外でのサポート以外にも、こうして援護を行うことができますので、またいつか皆様をサポートして臨む時が来れば力を振るうことになるでしょう」
ボスまで討伐し終えたため、ロアは締め括りへと向かわせる。
「本日は配信にお越しくださいましてありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします」
最後に丁寧なお辞儀をして、配信を締めた。
“良かった!”
“偶にはロアちゃんメイン回もあっていいね”
“次はドローンちゃんも映してください”
“草”
“ドローンガチ勢まだおったんか”
“またよろしく!”
“村正の加護も見せてくれよな!”
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