第29話 『終末』 その1


 核ミサイルを発射したのは、元某国の原子力潜水艦『ギガントピテクス』だった。


 しかし、すでに、その航行能力は限界に達していて、乗組員たちは、やや、やけくそであった。



 『ますらおが


    ランチャー振り起こし


     射る核ミサイルを


       後見む人は


        語りつぐがね。』




 『艦長、発射完了。』


 『よっしゃ。いまどき、騒いでいるあの不埒な怪獣たちを討ち滅ぼすべし。』




 荒川放水の娘は、ライブ中継もしていた。


 『みなさま。核ミサイルとおぼしき飛行体を検知しました。旧トウキョウ付近に到達見込み。荒川工作所製造の迎撃ミサイル、バックファイブを2発発射しました。一発の撃墜率98%。荒川印の荒川工作所提供です。』



 高性能AIミサイルさんは、ともに、辞世の句を言った。



 『荒川の見下ろす海を


    旅にして見ればともしみ、


      房総しのびゆ。』



 

       🏖️

 


 


 


 


 



 

 

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