第27話 『アリゲーターぱんくまらとビッグマムーシの決闘』 その6
『あなみにく
さけのみさんを
よくみれば
ざるにかもにむ。』
お酒を飲まない、荒川放水氏の娘が、帰ってきた和戸尊を見て言った。
流星5号は、あまりに早いため、和戸尊は、まだ、お酒によったままだった。
すると、荒川放水氏が言ったのである。
『ざるが悪しとは限らずなり
蕎麦をみよ
ざるでなければ
ふやけよう。』
荒川放水氏は、わりに、酒ずきだった。
赤血小次郎は、禁酒していた。
『さけのみ、
げこをわらうも、
げこさけのみ、わらうも
どちらも、あわれなりけり』
『何言ってんだか。』
激しい修羅場を想像していたふみたい五世は、やや、拍子抜けしたのであった。
しかし、すぐに、それは、間違いであることを悟った。
崖の上の空中では、アリゲーターぱんくまらと、ビッグマムーシが、火花を放ちあい、睨みあっていた。
『な、なんと。あれは、すごいな。』
和戸尊も、酔いがいっぺんに覚めてしまった。
また、両側の丘に、赤血と、荒川が陣取っていることは、これまたすぐに、確認した。
そこは、さすがは、赤血の優秀な相棒である。
30分近く睨みあった末に、ついに双方が同時にぶつかり合った。
さきの、小手調べで、互いの力量は分かっている。
アリゲーターぱんくまらは、強烈な右アッパーを入れた。
しかし、ビッグマムーシは、当然に体が長い。
毒は効かぬとみたので、巻き付いて締め上げに掛かったのだ。
しかし、アリゲーターぱんくまらのアッパーは、あまりに強烈だった。
ビッグマムーシは、あごにまともに一発食らって、吹き飛んだ。
『生けるもの
ついにもしぬるものならば、
このよにある時は
楽しくあるべし。』
ビッグマムーシは叫んだ。
『こうでなくっちゃ。』
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