第25話 『アリゲーターぱんくまらとビッグマムーシの一騎討ち』 その4


 アリゲーぱんくまらと、ビッグマムーシは、すでに15分は、睨み合っていた。


 文字通り、双方の視線の先では、火花が散っていた。


 それは、架空ではなくて、実際にエネルギー同士がぶつりあって、激しく反応していたのである。


 

 『いざさらば


      視線光線くらべんと


       アリゲーぱんくまらと


        ビッグマムーシ


         ともにうきよに


          音をのぞみなく』



 

 

 『雁をおとすか


      やましんの


       手術の日をまつ


        ひとりさみしく』




 『いきものは


      みな、こどくなり


        ひとりではなし』




 『わが師の


    栄典よろこびつつも、


     われに資格はなし、


       ひとりしずかに


        祝うなりけり。』





 しかし、いまや、その対決をみんとする、おおくのギャラリーが、集まりつつあった。


 

 『なんだ、どうなってる。』


 赤血小次郎は、ややと、驚いた。


 一方、荒川放水は、娘に言った。



 『あれをみよ


     入場料をとれば


         儲かるよ。』



 さすがの娘も、やや、呆れて言った。



 『ちちよ、


     これは


       試合にはあらじ


         天下分け目の


          決戦なり。』




 『にたりよったり


     てんぐたけと


       きのこぐも


        もはや天下は


          消え果てぬ。』




 荒川放水氏は、意外にドライなのである。


 中継を見ながら、赤血小次郎は、少し、感心したのだった。


 


        🍄


 


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る