第24話 『アリゲーターぱんくまらと、ビッグマムーシの一騎討ち』 その3


 アリゲーターぱんくまらと、ビッグマムーシの対戦。


 このうわさは、すぐに、内陸に届いた。


 悪事千里を走る、というが、こうした争い事の情報もはやい。


 和戸尊は、養老渓谷から出ることができずにいるが、激しい悪路をものともしない、ある種の怪物たちが存在することの証である。


 『尊師よ、だれが、情報を運ぶのか?』


 和戸尊は、尋ねた。


 『荒川放水たちは、自らの放送網をもつのである。この、荒れ果てた渓谷の海沿いには、それを見たり聴いたりしている視聴者がいる。荒川たちの一味である。それを、かつての、有線放送の設備を流用している悪人がいて、配下の海賊や山賊に流している。ある、山賊に話を付けて、傍聴しているのだ。ただし、1日、ニュース、1時間だけだがな。はははははははは。代金は、川で採れる魚とか、山で採れる山菜だ。小さな、もと、液晶テレビでみるのだ。発電は、足踏み発電だ。きみには、毒だと思ったが。見るかね?』


 『そら、見たいです。』




 『あおによし


     あわまたの滝に


       さく はなしは


        におうがごとく


         いまさかりなり。』




 

 『あわまたの


     はなしは 盛りになりにけり


       えどの都を


        おもほすや、きみ。』




 

 『つゆぞらを


      行き交うはなし


        もはや


         あまり かかわらず。』






 

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