第16話 『アリゲーぱんくまらと、ビッグマムーシ』

 頭の上を、どろんが飛んで行くのを見た、ビッグマムーシと、アリゲーぱんくまらは、一時闘いを中断した。

 

 『あれは、なんだい?』  


 アリゲーぱんくまらが尋ねた。


 『きみ、知らないの? あれは、どろん、という化け物だ。ふるくは、ラジゴンという、怪獣だったらしい。』


 『ラジゴン❗』


 『うん。ラジゴン。』



  『あまのはら


      ふりさけみれば


         らじごんの


          どろんとばけたり


            いざゆきてみむ。』



 


 すると、アリゲーぱんくまらが答えた。



 『らじごんが


      どろんの白浪、知らねども


        語りしつげば、


          いにしえ おもほゆ。』




 すると、また、ビッグマムーシが言った。



 『いわやどに


     立てるどろん、


       なをみれば


      むかしのラジゴン


        逢いみるごとし。』




 赤血小次郎は、たしかに、洞窟の入り口から、二機のめの『どろん』を準備していたのだ。


 荒川放水氏の娘も、同様であった。


 両怪獣は、好奇心にかられ、対岸に渡ろうとした。


 が、事態は急展開した。






       

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