第12話 『なかま』
コー・キューリ・ヨーテイ星人(コー・キュー・リョー・テイ星人とも。どっちが正しいかは、行ったこともないし、もはや不明である。)は、『超爆弾』で、破壊されていた地球を、さらに、ほじくりかえしたのだ。
欲しい地下資源を、根こそぎ奪って、さっさと立ち去った。
『花盗人は
風流のうち。』
と、言い残していたらしい。
荒川放水氏は、その片棒を担いだのだ。
その代わりに、宇宙人の超技術を得た。
正義の戦士、噛めんサイダーたちは、すでにみな、泡になってしまっていたのである。
『あまのはら
ふりさけみれば
あまのがわ
不治のたかねに
てもあしもでず。』
地球人類は、自ら招いた大混乱に加えて、宇宙人の侵略にあい、社会は壊滅し、恐ろしい悪疫が蔓延し、突然変異した生き物たちにも狩られて、生き残った人々は、死ななかった自らを、ひたすら、嘆いたのだ。(いまも、嘆いている。物価だかに、てもあしもでない。)
しかし、美しい星空は還ってきた。
『お日さまをこそ
眺めなれしか
星の世の
深きあわれを
ようやくに
ひとは知りぬる。』
人類の夜は還ってきたのだ。
赤血小次郎の妄想をよそに、ビッグマムーシは、アリゲーぱんくまらの足に、噛みついたのである。
『ははははは。蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる、ことはないわ。』
アリゲーぱんくまらは、平気であった。
崖の上から、荒川放水氏は、ほくそえんだ。
『おろかなり
毒薬変じて薬となす。
これ、常識なり。』
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