第2話「魔法界のプリンス」
〇登場人物紹介〇
国王様
不思議な世界の王様。
王妃様
優しい王妃様。
🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛
(レオンって、レオのこと? もしかして、偉いの? 様付けされてる…)とか姫菜が考えていると。
黒蝶に「行くぞ。姫菜」とうながされて次の瞬間には、黒蝶と姫菜達は立派な城のフロアにいた。
「レオン王子様、おかえりなさいませ。」
執事や大勢のメイド達が次々と、黒蝶におじぎをするなか、
豪華な装飾のされた赤い扉が、ゆっくりと開いていく。
「レオン=黒蝶=ブラックフィールド様が、ただいまお戻りになられました。」
側近の中年の男性が、高らかに告げる。
玉座には、金髪に銀髪交じりで凛々しい顔つきの国王と、黒髪でウェーブがかかったロングヘア―の美しい王妃が、座ってこちらを見ていた。
黒蝶がこれまで見せたことのない優雅な所作で、ひざまずきおじぎをする。
姫菜も慌てて、ひざまずいておじぎをした。
「お父様、お母様。レオンがただいま、戻りました。」
「おお、レオン! 良く帰ったな。待っていたぞ。隣の方は、ご友人か」
「あなたの名は、何と言うのだ?」
国王が穏やかに聞くと、この雰囲気に慣れていない姫菜はしどろもどろになり、慌てている。
「あっ、あのっっ!」
それを察した黒蝶は、姫菜の代わりに即座に答えた。
「はい、この方は私の友人の朱井姫菜さんです。私の大切な親友です。どうぞ、お見知りおきを……」
黒蝶がフォローしてくれたことと、親友と呼んでくれたことに胸が高鳴る姫菜。
(あれ……。なんだろう? 胸がドキドキしてる…こんなのはじめてだよ)
姫菜は心の中でつぶやく、胸がぽかぽかと温かくなる。
その様子を見て王妃は、柔らかく微笑んだ。
「そう、姫菜さんとおっしゃるのね。可愛らしいわ。これからも、レオンと仲良くしてあげてくださいね。」
「はいっ! 王妃様」姫菜は嬉しくなり、だいぶ緊張がほぐれてきた。
「今日は、レオンと姫菜さんのために食事を用意しよう!」
国王の一声で、黒蝶と姫菜は食事をする食堂に案内され食事をした。
食後に聞いた黒蝶の話しでは、病弱の妹がいて部屋にいるという。
黒蝶は、妹のために手作りのマーマレードジャム入りのマドレーヌを、みやげに持ってきていた。
「姫菜、俺とサラの見舞いに行ってくれるか?」
「うん、いいよ。サラ姫様、会うの楽しみ~っ」
部屋に行く途中、姫菜は何か難しい顔をして、悩んでいるようにみえた。
「どうした? 姫菜」黒蝶が足を止めて心配して聞く。
「ねえ、レオは王子様だし。あたしレオのこと、これからなんて呼んだらいいかな? レオン王子様って、呼んだ方がいい?」
黒蝶はその様子に思わず吹き出してしまった。
「ふはっ! なんだそんな事、気にしてたのか?」
そのあと、微笑みながら黒蝶は言った。
「らしくねえなあ。王子何て呼んだら、他人のふりするからな」
「そうだよね。レオ」
黒蝶と姫菜は、おかしそうに顔を見合わせて笑った。
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黒蝶レオイメージAIイラスト
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