紅の色2~黒蝶の秘密~
夢月みつき
第1話「姫菜、黒蝶の家に行く」
短編小説「紅の色-くれないの色-2黒蝶の秘密」登場人物紹介
・
「紅の色」の主人公。魔女と人のハーフ、魔女見習い。
赤い髪と目の色がコンプレックスだったが、黒蝶に救われる。
「朱井姫菜」AIイメージイラスト
https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16817330659022118565
・朱井
姫菜の姉。魔女と人のハーフ、魔女。
・
魔法使い見習い、純血の魔法使い。未だ謎が多い少年。姫菜の良き友達。
🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛
ここは、とある海の見える霊園。この町に引っ越してきてから朱井姫菜と黒蝶レオは、墓参りによく来ていた。
今日は休日で姉の亜矢音も一緒だ。
「お父さん、お母さん。あたし達は今日も元気にしてるよ」
姫菜、亜矢音、黒蝶は墓前で手を合わせた。
その時、スマホの着信音が突然鳴った。自分のスマホかと思い姫菜と亜矢音が確認する。
すると、「ごめん。俺のだ」黒蝶がスマホを取り出し耳に当てる。
誰からだろうと姫菜は、後ろを振り返り黒蝶を横目で見ている。
黒蝶は、うなずきながら話しをしている。
「ああ、うん。分かったよ。父さん」
どうやら相手は、父親らしい。一通り話し終わると、黒蝶は通話を切った。
一瞬考えた後、黒蝶は姫菜を見てこう言った。
「なあ、姫菜。良かったらこれから支度して、俺の家に来ないか?父さんがたまには、帰って来いって言っててさ」
「えっ、行く行く! どこなの? レオの家って」
姫菜がわくわくしながら聞くと、
「――魔法界さ!」黒蝶はにやっと笑った。
「黒蝶くんのご両親に失礼のないようにするのよ。」
「は~いっ!」
姫菜はおしゃれをして、亜矢音に黒蝶の両親に持っていく少し、高価な菓子を持たされて。
黒蝶の待つ、ひとけの無い路地裏へと出かけた。
◇ ◇ ◇
姫菜が路地の細い道へと入っていくと、開けた場所に黒蝶が、紙袋を持って待っていた。
「待たせてごめんね」
「おう、やっと来たな」
「これからどうやって、魔法界に行くの?」
姫菜が不思議そうに聞いてきた。
「ちょっと、待ってな」
黒蝶は、前に片手を突き出し呪文を唱えだした。
「――ラージャナ・ハマダラン・道の扉よ。魔法界へ連れて行け」
「―――マジック・ゲート!!」
ブオンッ!
◇ ◇ ◇
突如、目の前に光の入口が出現して、姫菜と黒蝶は一瞬にして吸い込まれた。
まばゆい光が広がり次の瞬間、姫菜の前には不思議な世界が広がっていた。
空に浮かぶ島や宙を走る車。中世風の街並みなのにファンタジーの世界と科学をあわせたような美しい世界。
「わあっ、凄い! ここが魔法界なの!?」
瞳をキラキラさせて驚く姫菜。
「ああ、凄い所だろ?」黒蝶は、得意そうに笑った。
その時、メイド服を着た二人の幼い少女が目の前に現れ、黒蝶にひざまずいた。
「えっ、何? この子達! 突然現れたんだけど。この子達も魔女?」
姫菜がきょとんとしていると、少女達が同時に口を開いた。
「レオン=黒蝶=ブラックフィールド様、お客人の方。お迎えに上がりました。
国王様と王妃様が、お城でお待ちして、いらっしゃいます。」
二人は双子らしく、同じ顔をしており耳が横に長かった。
「ああ、ありがとう」黒蝶が少女達ににこりと微笑む。
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