第63話 浅草奪還
【前回のあらすじ】
ヨーワーインの行為が警察に明され、批判が殺到どころかデモまで起きた。
高橋は警察に職務質問されてしまい、箱人間メイドとの関係も怪しまれ、社会的にも不利な状況に……。
そしてなんと!物騒空間に亀裂が走り始めた!
「この空間が崩壊します!掴まってください!」
↑箱人間メイド
「え?…崩壊⁉︎」
↑高橋
「はい」
「は⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
やがて空間が揺れ始め、瓦礫が落ちてきた。
瓦礫は高橋の頭に直撃!!
「ぐはぁ⁉︎⁉︎」
「た、高橋様!!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「…………ん、んん」
「目を覚ましたか、高橋」
高橋は瓦礫を枕代わりに、寝転がっていた。
どうやらエリザベスの親 ペンギンの足元で寝ていたらしい。
しかし場所は物騒空間ではなく、外だった。
物騒要塞らしいが、空き家や周りのビルが崩壊し、見た事無い景色となっている。
月は結構低いところまで来ているため、あと少しで朝になるだろう。
「……あ、あなたは……」
「無理して起きて見ろ。エリザベスが珍しく、考え事をしているぞ」
「あ、あの、箱人間メイドは…」
「そいつはお前を庇って○んだぞ。まぁ、そうなるだろうなとは思っていたが。
ほら、広場の中央で、エリザベスが」
「助けていただき、ありがとu」
「早く見ろゴミ」
「すみません」
高橋は瓦礫の上に顔を出して、エリザベスを探した。
………倒壊した建物の瓦礫の中で立っていた。
周りには警察や救助隊が、彼を包囲している。
中には異国の人間までいた。
高橋はペンギンに尋ねる。
「あの、我々も包囲されてんじゃないすかねぇ?」
「ん?俺とお前は存在を消しているからな。
いや、存在はしているが、存在は消えている。
まぁ要するに、今 俺らは他の人間共には視認できないから、特に警戒する必要も無いわけだ」
「そ、そうですか………あの、失礼ですが、なんで僕を助けていただいたんですか?
人間を信用してないんじゃ……」
「あ?ダメか?俺がせっかく情けをかけてやったのに。
エリザベスはお前の事が好きらしいな。
まぁ1番好きなのは、寿司とリストキャットだろうが……」
「いいえ、助けていただき、ありがとうございます」
そしてエリザベスは、警察官たちに向かって言った。
「………この星は中々居心地が悪かったよ。
だから、少し黙ってろよお前ら」
彼の背中から、大量の白い触手と、膜のような白い巨大な尻尾が生えてきた。
触手はおそらく約200本。さらにそれに加えて、足の つけ根からハサミのようなものがついた触手が160本ほど生えてきた。
「エリザベスを発見。至急、捕獲行動へ移r」
ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
一瞬にして付近の警察官たちが消えた。
残ったのは残骸と血だけ。高橋は目を疑う。
「……………え⁉︎……き、消えた⁉︎」
「違う、
あの大量の触手を視認できない程のスピードで振り回し、警察を一蹴したわけだ」
「⁉︎……ま、マジすか」
彼は目の前で一瞬にして、数多くの命が消えた事に戦慄した。
しかしここで下がる警察とエリザベスではない。
「応援頼みm」
ブシャァァァァァァァ
最大2500mまで伸びる200本の触手を振り、人々を木っ端微塵にしていくエリザベス。
近づく事すら許さないその攻撃範囲と速度。
気づく前に警察官たちは○んでいた。
目の前で何が起こっているのかわからないが、騒音と共に悲鳴が聞こえてきた。
地面が抉り取られ、血飛沫が舞う!
そんな地獄絵図と化した浅草の一角で1人、全ての触手を避け続けている警察官がいた。
「⁉︎」
なんとその警察官は石上だった。
彼は血眼になりながら、エリザベスから放たれる触手を全て避けていた。
仲間や自身が被弾しそうな触手は銃で撃って粉砕し、逃げ道を作っている。
「(………………)」
↑石上
心に無にし、ひたすら迫り来る触手を避ける石上の腕に、何かが掴んできた!
「(⁉︎…ハサミ!)」
どうやら足のつけ根から生えたハサミが、彼の腕を掴んで、動きを止めたようだ!
「(力が強い!)」
このハサミによって、石上は一瞬動きが止まってしまった。
そして彼の目の前から氷塊が とんでもない速度で飛んでくる!
石上は警棒を振り回して、ハサミと周りの触手、氷塊を打ち破ったァァァァァ!!
ズドズドズドズドズドッッ
そしてそのまま一切速度を落とさず、エリザベスの胸へ警棒を突き刺す!!
ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
「(一切力を抜くな 気をつけろ!)」
「(この警官、だるい)」
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