第62話 ヨーワーイン

【前回のあらすじ】

人類に限らず、全生命体を絶滅させると豪語したエリザベス。

そして、ヨーワーインは、結構ヤバい事になっていた。





「はい高橋です……」


物騒空間を脱出しようと歩いていた箱人間メイドと高橋。

そんな彼に電話がかかってきた。


「あ、高橋!ヤバい事になったよ」


「社長、どうかしたんですか?」


「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!めっっさ批判の電話が来てる、今。

どうやらエリザベスたちと、我々の関係が、警察にバレて公開されたようでね」

「は⁉︎⁉︎」


「社長、デモが起きてます!会社の前でデモが!」


晴輝の声が聞こえてくる。その奥から、人々の声が……。

高橋はフリーズした。


「(んでだよ……)」


「あ、テレビでヨーワーインの特集が!社長、やっと我が社もテレビに出れましたね!」


「何言ってんだオメー!早くデモを終わらせるよう、言ってこい!意味無いだろうけど……。

晴輝は電話の対応を頼む!」


「はい!」


「高橋、お前もそろそろ戻ってこい。くれぐれもヨーワーインの社員だとバレるなよ?」


「え、あはい」


「あと、もしエリザベスの事について聞かれたら、知らないと答えろ。じゃあ さいなら」


高橋は電話を切った。箱人間メイドは尋ねる。


「どうかされたんです?」


「ヨーワーインに対してデモが起こりまして……。

早く地上へ出ましょう!」




「君たち、いったいどういう関係だ?」


2人は驚いた。高橋の背後にいたのは警察だった。


「⁉︎」

「ご同行お願いします。話を聞かせてもらいたい」


「い、いやぁ…ちょっと」


「あなた、ヨーワーインとどういうご関係で?

アルビノの生物兵器について何か知っていたら、教えてほしいですね」


「知りませんて!エリザベスの事なんて!」


「そうですか。ではそこの頭が箱のメイドさんはどなた?」




警察官は箱人間メイドの事について聞いた。


「い、いえ、えっと、偶然ここで会ったもので…」


「おや、先ほど私にはあなたたちが会話しているようにも見えましたが……?

あなたのお名前は?住所は?身分証明書を提示していただきたい」




「え…………高…橋、正弘まさひろです。住所は言えません」


「わかりました」

「ではこれで」


高橋はすぐさま立ち去ろうと、回れ右をし、警察から逃げように歩いていった。





そして、警察官に肩を掴まれた。


「⁉︎」

「ところで、そこのメイドさんは?」


「え、こ、コスプレですよ…あははは」


「ほう、あなたたちは こんな危険な場所でコスプレをするのですか?」


「い、いや……」

「では何ですか?そのメイドは!」


箱人間メイドも焦り始めてきた。汗で箱の色が褪せてきている。


「えーっと、その、あの、すみません、それだけは話せません」


「そうですか………わかりました。ではこれで」




高橋と箱人間メイドは今度こそ、警察から解放された。

しかし、警察官たちの様子は、確かに2人を疑っている。

2人は小言で話した。


「どうしましょうか?箱人間メイドさん」


「地上へ出て、早く会社に戻りましょう。

そうすれば…いえ、それだとデモの対象となってしまいますね。

では、一度家に帰られてみてはいかがでしょうか」


「なるほど。ありがとうございます」




2人の会話が終わったその時、突然床にひびが入った。


「「え?」」

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