第58話 ごめん
【前回のあらすじ】
ロッシュと交戦中の石上と平山。
なんと、ロッシュが攻撃しようとした時には、すでに石上と平山はいなかった!
そして、その原因はアントニオなのだろうか?
いや知らんけどさ。
彼女は彼に、警察の居場所を尋ねた。
「おい早く言え!」
「それは……ねぇ」
ボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!
なんと彼は、ロッシュの顔に向かって、火炎放射をした!
「⁉︎」
向かってくる炎を薙ぎ払い、アントニオに怒鳴ろうとした直後、目の前から、石上の拳が飛んできて、ロッシュの顔をぶん殴った。
「ふん!!」
「ぶふぉ⁉︎⁉︎⁉︎」
「平山!」
「わかってる!」
ロッシュの気が石上に取られている間に、平山は鍋たろーに抱きついて捕まえた!
「くっ!…この鍋 結構力強いなぁ!でも離すもんか!」
「クソっ、アントニオ!嵌めたな!」
「ごめん、姉ちゃん」
「(もう良い、あいつは捨てよう。私だけ残ればそれで良いし、所詮捨て駒だ。
ロッシュは稲妻を拾い、軌道の読みにくい不規則な太刀筋で、石上を襲う!!
うねうねと音よりも速いスピードで動く彼女を、目視するのも困難だ。
しかも石上はかなり斬撃を受けているため、体が亀裂だらけどころか、どんどん増えていく。
体の形を保てるのもあと少しだろう。
「(ふん、人間は私たちには勝てない!!)」
ズキューーーーーーーーン
「ぶぐっ⁉︎⁉︎」
突然ロッシュの背中に、フォークとナイフがぶっ刺さった!
「んだよ貴様ァァァァァァァァァ!!」
ロッシュは上を見て発狂した。
なんとアントニオが、空中から長く伸びるナイフとフォークで、攻撃してきたのだ!
どうやら彼は浮遊できるらしい。
「チッ、鍋たろーが先だ!」
ロッシュは平山との間合いを詰めて懐に入り、ぐにゃりと曲がった軌道を描き薙ぐ!
「!!」
ズドカァァァァァァァァァァァァァァン
「⁉︎⁉︎⁉︎」
平山は鍋たろーを盾代わりにし、彼女の斬撃を受け止めた!
「は⁉︎」
「(う、受け止めたが、力が強い…!
人間の比にならないくらいの筋力だよこいつ!)」
平山の危機に気づいたアントニオが、巨大な角砂糖を出した!
角砂糖は周りに飛び散る瓦礫などを踏み潰しながら、ロッシュへ迫り来る!
「クソぉぉ、どいつもこいつも舐めやがってェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!」
ドンガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン
彼女は怒りに任せて、角砂糖を割った!
そして、信じられないほど高くジャンプしたッ!
「⁉︎」「⁉︎」「え⁉︎」
「
アントニオの浮遊よりも高い高度へ飛び跳ねたロッシュは、下にいる3人へ向かって、稲妻を振るう!
「ヤバい離れろ!」
「「え⁉︎」」
突然上空のロッシュから、巨大な稲妻が超高速で4本同時に放たれた!!
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドズバァァァァァァァァァァァァンドンガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!
地面が抉れ、信じられないほどの大きさを誇るクレーターが4個発生した。
「⁉︎」
「うぐっ!」
「」
「なんでなんだよ」
ロッシュは地上へ降りた。
なんとアントニオが、稲妻を全て切り裂いているではないか。
おかげで石上と平山はノーダメージ。
そしてそのまま彼は、息をする間も無く、フライパンから炎のボールを発射した。
「チッ、いい加減にしろアントニオ」
ロッシュは怒りのあまり、体を震わせた。そして平然と炎のボールを弾く。
「………………姉さん」
「んだよ」
「ごめん」
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