アルビノの生物兵器 エリザベス 〜弱小企業の過ち〜

第57話 利敵行為

【前回のあらすじ】

アントニオの姉であるロッシュと、アントニオとの戦いが始まった。ただそれだけ。

石上は銃を撃ちながら後ろへ下がり、フライパンを投げた！

それをロッシュが容易く切り落としていく。

「（そろそろトドメを刺すか）」

彼女は一瞬にして、石上の目の前まで行き、稲妻を振るった！

「！」

ガシッッッッッ

「⁉︎」

なんとロッシュが、稲妻を振る直前に、石上が彼女の腕を掴み、固定した！

これでロッシュは攻撃ができない！

しかし、彼女の筋力は、人間1人だけで抑えられるものではなかった。

「（くっ、すごい力だ！両手で押さえても、かなり力がすごい！

絶対に稲妻を振らすな！）」

↑石上

「私の力を抑えられるとでも思ってんのか。稲魂（いなだま）でも喰らえ！！」

↑ロッシュ？

一瞬の間に石上の四方八方から斬撃が包み込むように放たれた！

「（⁉︎…逃げ場が無い！）」

ｼﾞｬｷｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯ

ブシャァァァァァァァ！

ズドカァァァァァァァァァァァァァァン

体の至るところに切り傷を負い、石上のひび割れが激しくなってきた。

平山が援護しようと、銃をロッシュの頭に撃つ！

ブシャァァァァァァァ

しかしすぐに再生したロッシュは、口からなんと雷を、２つも同時に発射した！！

「何⁉︎…（ヤバい避k）」

ブシャァァァァァァァ

ﾄﾞﾝｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧﾝ

「（平山！！）」

辺り一面に埃や瓦礫が舞い、平山の安否が確認できない！

残っていて戦える警察官は彼と石上だけだ。

ここで負けてしまったら、この姉弟（してい）を野放しにしてしまう！

そしたらさらに被害が出るだろう。

ロッシュは目の前で戸惑っている石上を、視認できない速度で突き刺した！！

ズバズバズバズバ

ブシャブシャブシャブシャブシャブシャブシャ！！！

「ゔっ⁉︎⁉︎」

ブシャァァァァァァァｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ！

ズドォォォン

全身を刺され、ひび割れ続ける石上へまだ追い討ちをかけるロッシュ。

「電光石火（でんこうせっか）の次は跳梁跋扈（ちょうりょうばっこ）だッッ」

彼女は目の前で稲妻同士を叩きつけて、衝撃波を広範囲に発生させた！！

厨房内の全てのものが飛び散り、粉砕してしまった！

「（ヤバい喰らったら間違いなく負ける）」

石上は少ない体力を振り絞り、筋肉を硬直させて、なんとか肉体の形を保った。

しかし、いくらなんでも目の前で攻撃を受けすぎた。

「………ほう、今の攻撃を受けても、まだ○なないどころか、気絶で済ませたとは…普通の人間やめてんじゃねぇか。

だが、この人間を吸収すれば、さらなる強さが手に入る。

次の宿主にしても悪くないな。

まぁまずは、この憎らしい頭を殴り潰してからだ！！」

気絶した石上の頭へ、ロッシュが拳を振るう！！！

「……………⁉︎」

目の前の石上は消えており、代わりにアントニオが、彼女の拳を食い止めていた。

「⁉︎……アントニオ！」

「もうやめて……俺はもうやだ。だるい！！

俺は警察へ行く！姉ちゃんも…」

「行くわけがないだろボケがｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ！！」

ロッシュは彼の手首をへし折った！

ボキッッッ

「アイターーーｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧクビガｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ」

「やめてほしいなら言う事聞けよバカが。

あの警察2人はどこだ？どこへ逃した？おい、利敵行為するな。

さっき私が放った双鳴雷帯（そうめいらいたい）から、平山とかいう警察を庇ったんだろ。

言え、早く。良い子だから」

「あの警察2人は…隠した。言ってほしいなら、その拳を止めて、稲妻を置いて」

「…………3分間待ってやる」

ロッシュは姿勢を正し、稲妻を足下に置いた。

「……ついでに、その鍋からも降りて。

じゃないと、狭い所通れないでしょ？」

「鍋たろー の事か？……まぁしゃあないか」

彼女は馬乗りになっている鍋から降りた。

どうやらこの鍋は、鍋たろー という名前で、ペットのような存在らしい。

「……で、どこだ？警察官は」

「えーっとねぇ」