第53話 暴れまくるアントニオ

【前回のあらすじ】

エリザベスは、特に何もしていない箱人間ウサギと、イス、アントニオ・キラキャラを怒鳴り散らかし、アントニオ以外の2人を○してしまった。

そして彼も体をバラバラに切られ、少し黙っていた。




エリザベスが言う。


「ここで俺に○されたくないのなら、今すぐに人間共を○して来い」


「なんでだよ!チクショッ、この、ペンギン野r」


ブシャァァァァァァァ!!



やっと再生しかけたアントニオは、また切られた。

エリザベスはまたチャンスを与える。


「あと1回口ごたえするのならば、次は確実に○す」


「…………………おけ、わかった。行ってくるよ。

そうだな、じゃあ後でな。俺が全員○してくるから」


急に大人しくなったアントニオは、浴場を出ていった。

エリザベスはため息をし、少しその場で休み始めた。



「(には少し期待しているが、どうだか)」













アントニオは包丁を持って、食堂内を彷徨っていた。

エリザベスに言ったからには、必ずやらなければならない。


「チッ、元はと言えばヨーワーインの奴が、ここへ来なけりゃ良かった話なのに!

なんで俺が怒られなきゃいけねぇんだよぉぉ!!!

ァァァァァァァァァ、んだとよぉぉぉ!!!!」


「そのヨーワーインとはなんだ?」



突然声がしたかと思うと、背後に警察官が何人かいた。

前の方にいたのは、石上と平山。アントニオは驚いた。


「え…………中小企業の事だが……ヤベッ、喋っちまった!」


「ほう、平山、連絡しろ!」

↑石上


「わかってる!」

↑平山


彼はどうやら本部へ連絡し始めたようだ。

おそらくヨーワーインという企業が、この事件に関わっているという事を知らせるためだろう。

アントニオは焦った。



「(ヤバい、エリザベスに…○されるわこんなん)」


「ご協力、感謝します。では」

「ちょ待てやテメェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!」




アントニオは大声で彼らを止めた。そして怒りのあまり震えながら話す。



「貴様らぁ、舐めんじゃねーぞぉぉぉ!!!○ねぇェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」


とんでもない速度で石上の前に行き、彼の包丁の先が、石上の目に入る直前!







パキッッッッッッッッ


「⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」


「ふっ、危ない」


なんと石上は迫ってくる包丁の先を、腕をぶつけて折ったのだ!


「ハァ⁉︎⁉︎でも無駄ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」


アントニオは胡椒をぶち撒けた。目眩しのためのようだ。



「ゲホ、ゲホ、ゲホ……あれ、今の奴は⁉︎」

「そこにいるな」


目を擦りながら指を差す石上の見ている方に、アントニオが色々な調理器具を構えて立っていた。

鍋蓋を被り、胸の前にはまな板をつけている。

手にはピーラーと包丁が。足には砂糖と塩がくっついていた。

武装しているのか?


「「(なんだあれは……)」」


「お前らに負けてたまるかーーーーーーーーーァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」



大量のピーラーが隙間なくびっしりと投げられた!


平山は銃で撃ち落として逃げ場を作ろうと試みるが、石上はなんとパンチや蹴りで、当たるピーラー全てを破壊したッ!


さらに格闘技の技と技の間で銃を撃ち、他の警察官たちの逃げ場を作る。


「(えぇ……なぜ……?)」

↑平山


「クソぉぉ、なぜぇぇ」




平山はアントニオが油断しているのを見逃さなかった。


「(今だ)」


手錠を持って、彼の死角から迫る!


「クソぉ、あの警察官めぇ!……ん⁉︎」



背後から来る平山がアントニオに、見つかってしまった!


「⁉︎…」

「このクソ野郎共がァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」


彼はまた包丁を振り始める。平山は必死に避けた!!



シュンッッッッッッッッ


「(くっ………あれ)」



平山は足を止めた。アントニオは、誰もいない方へ包丁を振っていたのだ。


「(何をしてんだ?……それともパニックになって、冷静な判断をできないのか?)」


「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ、○ねェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ……は」

↑アントニオ


彼は突然警察官たちの方へ振り向くと、また怒鳴った。


「ァァァァァァァァァクソぉぉ!!なんでだよぉぉ!!!

とっとと○んでくれよォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」



とても正気とは思えない。警察官たちに涙を流しながら罵詈雑言を放ち、キッチンを叩きまくり、床に落ちているゴミを蹴り飛ばしている。

まるで沸点の低い子供のようだ。


石上は平山に小声で呟いた。



「今彼は冷静ではなさそうだから、一旦落ち着かせてから一気にやるぞ…?」


「あぁ……わかった」

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