第51話 悲
【前回のあらすじ】
現実くんとの戦い。
ハルは分裂体を、他のアメリカ人は無を、そしてロッキーは本体を追いかけていた。
残るタイムリミットは2時間。2時間後には辺り一面溶岩に飲み込まれてしまう。
ハルは高い身体能力と、武器の上手い使い方で、分裂体たちを圧倒していた。
「ブッ、この娘、中々強い…!」
激怒は雷やビームを隙無く放ち、彼女を攻撃しているが、全く当たらない!
テンションは爆弾を大量に構えた。
「は、早く倒さないとぉ!」
↑テンション
「(チャンス!)」
↑ハル
彼が抱えている爆弾に、銃弾が直撃するッ。
ズドカァァァァァァァァァァァァァァン
「は⁉︎⁉︎」「え」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
「「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」」
ドォォォォォォォン
爆発の影響で空いた穴に、テンションと、爆発に巻き込まれた楽は、落ちていった。
そして、溶岩に着水する音が遅れて聞こえる。
「チッ、あの2人もか……!」
恨はうちわで風を起こそうとした!
が、なんとハルに、腕ごと奪われてしまった!
「は⁉︎」
「さよなら!」
ビュゥッッッッッ
「ハァァァァァァァァァ⁉︎」
彼は奪われたうちわで突風を起こされ、溶岩へ吹き飛ばされた。
集中も電気を溜めるも爆発させられ、そのまま落下……。
とうとう残った分裂体は、激怒と疲、鬱、無だけとなった。
「チッ、疲!あいつを眠らせろ!」
「はぁ、疲れるなぁ」
疲はハルの前に来ると、紐がついた鉄球をぶら下げた。
「眠れぇぇぇ!!!」
「!!」
バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!
彼女はその場で眠ってしまった。疲労は誰も聞いていないのに、独り言を説明口調で言った。誰も聞いてないのに……。
「この催眠術は、相手の過去から選ばれたトラウマを呼び起こすのだ。
それでメンタルを破壊し、最終的に自○に追い込む。
戦闘なんて疲れるからな。いちいち手を下すまでもない。
とゆうか、割となんでもできるんだがな、この催眠術」
彼の言った通り、ハルは過去のトラウマで苦しんでいるのか、眠った状態でも顔を硬くしていた。
と思いきや、突然目を開いた。
「え?」
「私に辛い過去があるわけ無いだろォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
人の人生舐めんなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
彼の紐を奪い取ったハルは、それごと疲を溶岩に放り投げた!
「ぇぇぇ⁉︎⁉︎なんでぇぇぇ⁉︎」
ズドォォォォォォォォォン
「ハァ、ハァ、ハァ……鬱と怒……」
彼女は2人を睨む。激怒も睨んだ。鬱は少し焦っている。
「(ヤバい…ヤバい…終わったわ……やだ……まだ……やだ!)」
↑鬱
「さぁ、残りは無と激怒と鬱、お前らだけだ」
ハルは豆だらけの手で銃を構え、激怒に向けた。睨む目はまるで蛇のようで、一瞬の動きも逃さなそうだ。
激怒は言った。
「……やはり、あいつに任せて、俺らは退場した方が良いな。
そうじゃないとエネルギーが減るだけで敵を倒せないし、本体も守れない」
「え、マジ⁉︎まだなんとかなるよ!………多分。
いや無理かもだけど、まだやだ!!」
「うるさい!仕方無いだろぉ!」
「(……?……あいつ?)」
「さらばだ」
「やめt」
ジャキッッッッッッッッッッッ
激怒は突然鬱を殴ると、なんと掌から彼を吸収した!
さらに遠く離れた場所にいる無を強制的に引き寄せ、また吸収。
そして自分自身で自分の体を横に切り、上半身は溶岩へ身投げした。
「⁉︎……(何をしているの⁉︎)」
残った下半身は、その場で立っているだけだった。
いや、また何か生えてきそうだ。
「(……?……ど、どゆこと?
まさか、また分裂体⁉︎もういい加減にしてよ!!)」
残った母体が動き始め、頭が生えてきた。
そして悲のお面が顔から浮き出てきた。
手には棒が現れ、背中から5個の太鼓が次々と飛び出てくる。
悲と書かれた太鼓は、空中に浮かんだ。
「………⁉︎……え?」
「……ふぅぅぅぅぅ……」
棒と太鼓を持った悲の分裂体は発言する。
「……………悲しいのぉ」
「⁉︎⁉︎⁉︎……………」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます