第50話 逃げる現実 追う非現実

【前回のあらすじ】

現実くんの分裂体たちと戦っていた、ロッキー&ハルとその他アメリカ人。

そんな中、なんと下の方から出てきた溶岩の水位が上がってきたではないか!

激怒の分析によると、2時間後には、周辺が溶岩に飲み込まれてしまうようだ。

つまりタイムリミットは2時間。2時間以内にネズミよりも小さく、逃げ足も速い本体を倒す必要があるのだ!








ロッキーは狂に近づくと、1発ぶん殴った!


ブォォッ


「ゔっ、やりやがったなテメェ」

「もう1発!」


ブォォッ


「ゔっ⁉︎⁉︎……こ、このぉ!」


突然狂はロッキーの目の前で消えた!

ロッキーは彼を探し、辺りを見渡す。

それにしても熱い。汗が常に垂れてきて、目がしみる。


「(もしや、影を利用して、闇の中に隠れているのか⁉︎)」


「おりゃぁ!喰らえ!」



背後から狂が現れると、ロッキーの後頭部を目掛けて、拳を突き出したッ!!


「!!」


しかしロッキーは今まで人間の敵と何度も戦っている。

拳とか言う人間の戦い方なんぞ、怯むわけにはいかない!


「弱いなお前!」

「ハァァァァァァァァァ?」


ロッキーはすぐに振り向き、彼の拳を握ると、腕を捻った!!


グキッ!!


「ゔっ⁉︎⁉︎」

「落ちろォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」



ロッキーは彼を背負い投げをし、溶岩の海へぶん投げた!!


「は⁉︎⁉︎⁉︎……





……ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」



ズバァァァァァァァァァァァァン




絶叫と共に、溶岩に落ちた音が聞こえた。

そして、その雫が上へ飛び散る。


テンションと楽はますます戦慄し、お互い抱き合った。


「「ヒィィィィィィ!」やだぁぁぁぁぁ!!!」



そして、狂から分裂体は出てこなかった。

ハルは気づく!


「(もしや、心臓を切らずに破壊すれば、分裂体を倒せる⁉︎)」



彼女は銃弾を激怒の錫杖に命中させ、へし折ると、一瞬で間合いを詰めて、彼をぶん殴った!


「ゔっ!……舐めんなよこの野郎」


激怒は折れた錫杖を振り回して、雷を飛ばす。


バチバチッッ


ハルは雷を避けながらロッキーたちに叫んだ!


「私が分裂体たちの相手をする!

あんたらは本体を頼んだ!!」


「え⁉︎……あぁ!」



ロッキーは返事すると、周囲を見渡した。

本体は一体どこへ?見た感じ視界にはいない。


「(瓦礫の中などに隠れられると困るぞ……………そうだ、追跡バッジ!)」


彼は胸についている追跡バッジのスイッチを入れた。




グォォォォォン


謎の音と共に、ロッキーの感覚に何かが流れてくる。

かなり鮮明な感覚で、今まで感じた事も、聞いた事も無い。

全く新しい、記憶と感覚が、脳に流れてきたのだ。


「(こ、これは⁉︎)」


そして、不思議と、本体の居場所がわかる気がした。



……南の方角に!



「そこか!!」


ズドォォォォォォォォォン


彼は咄嗟に銃を撃った!!



ズバァァァァァァァァァン


「ひいっ⁉︎⁉︎」


本体の悲鳴がどこからか聞こえる……!


「(銃弾が直撃した箇所……南の、タイルの壁の、隙間)」


そこをよく見てみると、なんと、銃弾が直撃した箇所のすぐ横……タイルの壁の隙間に、怯えている本体がいた。


「ひいっ!バレた!!」

↑本体


「!」

↑ロッキー


ズドズドズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!


数多の銃弾が本体に向かって放たれる!!

本体は視認できない速度で弾を全て避け、タイルの上を猛スピードで走っていった。


ロッキーはキレる!



「貴様ァァァァァァァァァァァ!」


「(⁉︎……俺?)」

↑本体


「逃げるなァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!

現実が、逃げるなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


「(何言ってんだあのアメリカ人は?

英語わかんないから会話できない……。

でも、現実がなのはわかる!)」


彼はまた逃げ始めた。ロッキーは周辺のアメリカ人を呼んで、本体を共に追い始めた。



激怒がハルと戦いながら、それに気づく。


「無!本体を追っているあのアメリカ人共を殴り○せ!

(必殺技の無心連撃むしんれんげきでも繰り出してくれれば良いが……)」


ボーっと立っている無は、ロッキーの方を見ると、大ジャンプし、彼らの前に立ち塞がった。


そして広範囲に、目視不能の打撃が高速で放たれた!!!!




ズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバ!


ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ



「ゔっ⁉︎」

「ロッキー!!」


後ろにいるアメリカ人たちが呼ぶ!


「俺たちがこいつの相手するから、お前は早く本体を!」


「お、おぉ!ありがとう!」



ロッキーは走っていった。

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