第44話 本体
【前回のあらすじ】
ロッキーは、現実くんの分裂体たちとの戦いで、突然突っ込んできた車の運転手を探していた。
雷や爆発(ん?)、打撃の音や風を切る音、何かパワーを溜める音、突風の音……。
それらの音を聞きながら、瓦礫だらけの道を、ロッキーは背を低くして、小走りで進んでいた。
「どこだよ、さっきの運転手」
辺りを見渡しながらも、分裂体たちの警戒をするロッキー。
その時、何かの足音が聞こえた。
「(……⁉︎……いたか⁉︎)」
彼は下を見た!!!
そこには、現実のお面を被った、小さな分裂体?がいた。
ネズミよりも小さく、怯えているようだ。
「⁉︎⁉︎…見つかったか!」
↑ロッキー
「ひひっ、見つかったァァァァァァァァァ!」
↑分裂体?
分裂体は叫ぶと、ロッキーから逃げるように走りだす!
ロッキーは呆然としていた。
「…………え?」
「(今の叫び声…!)
皆んな、本体が見つかった!全力で守れ!」
激怒が全員に怒鳴った。ロッキーは確信する!
「(あいつが本体⁉︎⁉︎⁉︎
…小っさ!!!!!!!
もしや、分裂体たちの心臓を破壊しても倒せなかったのは、本体の心臓を破壊してないからか⁉︎
本体の心臓さえ破壊すれば、全員やられるのか⁉︎
………やるしかない……⁉︎)」
彼は、焦って逃げる小さな本体に向けて、銃を撃った!!
ズドォォォン
ズドォォォン
本体は超高速で回避するッ!
「やめてぇー!いじめないでぇーー!痛いぃぃ……」
本体のスピードが上がった。その直後、ロッキーの背後から何かが来る!
「(……⁉︎⁉︎)」
スタッ
「ここは危険だから早く隠れろ!」
背後からは、なんと女性が現れた。ロッキーは尋ねる。
「あんたは、車で突っ込んできた奴か?」
「そうだよ、私はこいつら全員捕獲して、金持ち 幸せになりたいんだよ。
だから邪魔しないで!」
彼女は銃と網を持って走り出した!
その背中を見て、ロッキーは悟る。
「(こいつ、もしや元軍人だな?………ついて行ってみるか)」
彼は声をかけた。
「お前、名前は?」
「私?……私はハル。元軍人だよ」
「やっぱり!お前、あの小さい逃げている奴が本体だ。
あいつを倒せ!じゃないと……」
「倒す?」
ハルは聞き直した。
「倒すとは何事だ。私は捕獲したい言ってんだろ」
「そんな捕獲の事考えてたら、皆んな○されるぞ!」
「そんなん知らん。私が幸せになりゃ良いんだよッ!」
ハルは銃を撃って、本体の足を吹き飛ばした!
「あいったッッッ足がァァァァァァァァァ!」
本体はその場で転んでしまった!ハルはすかさず網を振り落とす!
「させっか!!!」
ズドォォォォォォォォォン
なんと集中の分裂体に、網を押さえられてしまった。
「⁉︎」
「本体を狙われると集中できないッ」
彼の口に、電気の球体が溜まってきた!
熱量がすごく、目がチカチカする!
「集中力が、欠けるだろぉがァァァァァァァァァ!」
ズバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!
集中の口から、衝撃波が放たれる!!!
バタッ
ハルの膝が地に着き、気絶してしまった。ロッキーが叫ぶ。
「ちょ、何してんだよッ」
「おい集中、残りの男も○せ!」
激怒が雷の弾を放ちながら叫んだ。集中はハッとした。
「そうだ、残りは……そこか!」
彼はロッキーを見つけ、位置を把握すると、電気を口元に溜め始める!
しかしロッキーの攻撃が一足早かった!
「⁉︎⁉︎」
「おりゃっ!」
ロッキーは集中を担ぐと、近くで電気を放っている激怒へ向けて、集中の衝撃波を放たせた!
ズバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン……
衝撃波を真正面から喰らった激怒は怯む事も無く、電気を放っていた。
「……え⁉︎⁉︎はっ⁉︎」
「甘いな。同じ細胞を持つ分裂体の俺に、通用するわけないだろう」
彼は帯電した錫杖を振り回してロッキーを追い払うと、その場で倒れているハルに錫杖を突き刺した!
「ふぐっ⁉︎⁉︎」
血を口から流すハル。
「テンション、やれ」
「
テンションの低いテンションくんは激怒に指示され、爆弾をロッキーの元へ3個投げる!
「は⁉︎⁉︎」ズドカァァァァァァァァァァァァァァン
床が抜け、砕かれた崖っぷちに掴まるロッキー。
楽がそこへやってきた!
「お、楽しそうじゃん!○ね!」
楽が自慢の槍をロッキーの指に突き刺した!
血が噴き出て、ロッキーは絶叫したい気持ちを抑えて、歯を食い縛る!
「やはり人が苦しんでいるのを見るのは楽しいなぁ!」
「……くっ、そ、それはどうだろうな⁉︎」
「は?」
ロッキーは回転しながら飛び上がり、
ブシャァァァァァァァッ
さらに全く止まらず、激怒の方へ走り、拳を振り上げた!!
「遅い!」
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ……
「それはどうだろうなぁ!!」
ブチッ…………
なんと雷は、ロッキーの前で途絶え始めたのだ!
「は⁉︎…な、なんで…」
「これだ!!」
彼は激怒の前で手に持っているものを見せた。
「……そ、それは、楽の足!俺と同じ細胞……雷を通さない!」
そう、同じ細胞を持つ分裂体同士の攻撃は通用しない……。
ロッキーはその性質を使って、先ほど引きちぎった楽の足を絶縁体代わりに持って突撃していたのだ!
「このっ!!」
ズドォォォン
激怒に頭突きし、錫杖を離させたロッキーは、それをハルから引き抜いて、激怒へ向けた。
「大丈夫か?……ハル」
「……え、…………えぇ」
「観念しろ!」
「は?……こちとら住居荒らされて困ってんのに、その口の聞き方はなんだ?
お前らが俺らの住居を荒らしているんだろ?
そうだよなぁ?貴様ァァァァァァァァァ!」
彼は掌から錫杖を生やすと、ロッキーへ向ける。
「え……」
「詫びるか?許す気は無いが」
ズドカバババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババ…………
バタッ
彼はその場へ倒れた。激怒は冷酷な目線で、彼の顔を見る。
「ったく、失礼で礼儀知らずの愚かな人間め……」
また激怒は彼に向かって雷を落とそうと、錫杖を上げた。
その時!!
ズバァァァァァァァァァァァァン
銃弾が激怒の頭を吹き飛ばす!
なんと撃ったのはハルだった。彼女は周りで倒れている人々を起こした。
「早く倒すぞ!!」
「え………は、はい」
激怒の吹っ飛んだ頭から、また分裂体が生まれそうだ。
ハルはまた頭を再生した激怒本体に向けて銃を撃ちながら、飛び蹴りを食わす!
ブチッ……
「ぐっ」
「や、ヤバい!!」
テンションと鬱は逃げ回る本体を追いかけるアメリカ人たちに気づいた!
「げ、激怒くん!ほ、本体が!」
「なら早く始末しろバカ共!」
激怒はハルと肉弾戦をしながら2人に怒鳴った。
2人はビクッとなって、アメリカ人たちを追いかけ始めた。
「ヤバい!分裂体が追って来たぞ!」
「早くあの小さい本体を○せ!」
5人ほどのアメリカ人たちは銃を本体へ撃ちながら、追いかけている。
鬱がブーメランを、超高速で投げた!!
「(
ズバァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!
彼の投げるブーメランが、砂埃を舞って、アメリカ人たちを追いかけた!!!
ブシャァァァァァァァッッッ
2人の腕を切り落とすが、彼はカッターの刃をなんと発射して、まだトドメを刺そうと試みる!
「ひっ!」「終わったァァァァ!」
グシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
突然2人の前に、誰かが現れ、飛んでくる刃を受け止めた。
「……あ、あれ⁉︎」「あ、あんたは!」
なんとロッキーだった。力の入らない足で、2人の元まで走って来た後、刃を受け止めたらしい。
しかし彼の体には、無数の刃が。
「だ、大丈夫k「大丈夫だ、だから早く本体を」」
「へ、へい!」
「(あのアメリカ人、体で刃を遮った……恐るべきメンタルと持久力……)」
↑鬱
「おい何か考えている場合じゃねーぞ!早く攻撃しろ!」
↑テンション
テンションは爆弾をなんと20個も生成して、それらを同時に投げた!!
ロッキーへ迫り来る!!!
ズバァァァァァァァァァァァァン
「「やったか⁉︎⁉︎」」
「……やってない。残念だったな」
彼は、爆弾全てを受け止めていた。
とてつもない判断力と瞬発力、そして正確性もあった。
2人は絶叫して声が震えた!!
「「ェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ⁉︎⁉︎」」
「………」ブンッッッッ
そしてロッキーは、鬼畜にも、それらの爆弾全てを、2人に投げつけたのであった。
ドンガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン………
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