第40話 突風
【前回のあらすじ】
現実くんの分裂体たちと戦っているアメリカ人たち。
その中の1人であるロッキーとマイクは、喧嘩し始めた分裂体の激怒くんたちの心臓を破壊する事に成功。
しかし、破壊した激怒の下半身を母体に、恨のお面を被った新しい分裂体が生えてきたのであった!
その恨のお面を被った分裂体が、手にうちわを持って、いきなりジャンプする!
そしてうちわをアメリカ人たちへ振った!!!
「……?」
一瞬空気が止まる。
マイクは戸惑った。
その直後!
風が一気に押し寄せ、その場にいたアメリカ人の大半が吹き飛ばされてしまった!!!
ブォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
人々は悲鳴を上げるが、風の音が大きすぎて聞こえない!
壁にクレーターができ、人々がそこへ飛ばされた!
中には空いた穴から別の場所へ飛ばされた人もいるようだ。
マイクもその1人である。
ロッキーは力を腕に込めて、箱にしがみついていた。
「(マイク!……)」
ズドドンガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンン……
辺りに瓦礫が散乱し、血が吹き飛んだ。
恨のお面を被った分裂体は言う。
「こんな雑魚共も片付ける事すらできないとか、雑魚すぎんだろお前ら。
ったく、これだから嫌いなんだよ」
「仕方ないだろぉ?テンションがなぁ……」
激怒は言い返した。恨はチッと音を出す。
「あいつかよ……俺は知らないからな」
「わかったわかった」
話のネタになったテンションの体からは、楽のお面を被った分裂体が生えてきた。
「おっ、皆んなおっはよ〜!楽しそうだねぇ!
……ここ、少し広くなったかな?」
「恨とテンションのせいだ」
激怒の発言に、楽は叫んだ。
「さすがはぁ、テンションく〜ん!
やっぱ君とは話が合うよぉ!」
「でしょぉ?もっと暴れたいよねぇ⁉︎」
隣で鬱と、彼から生えてきた疲のお面を被った分裂体は、テンションと楽の様子を見ていた。
「俺もあーなるはずだったのに……憂鬱だ……」
「変な事考えるなよ、疲れるぜ。
陽キャは好きにさせとけ。俺らにはあの人がいる。
無理に落ち込むと疲れるからさ」
「そうだな、俺らには、いる」
無の体からは、集中のお面を被った分裂体が。
「集中してください!戦闘中ですよ!」
「そうだな、お前ら」
激怒は冷たく呟き、クレーターの中で倒れている人々を見た。
「さて、トドメを刺すぞ」
彼が錫杖を上げて、雷を放とうとしたその時!!
ズバァァァァァァァァァァァァン
突然、錫杖の先が折れた!
「⁉︎…」「なんか折れたw」「草w」「え…集中できないッ」「心みたい」「疲れるからやめろよ」「恨むぞ」「………」
どうやら少し離れた所にあるクレーターの中から、バレないように、腕だけを出して、ロッキーは銃撃したようだ。
あの距離で、見事錫杖の先だけを折る事ができるとは、彼の銃のセンスがわかる。
「チッ、まだいるな。そこのクレーターから飛んできたぞ」
激怒がロッキーのいるクレーターへ指を差す。
錫杖の先は出芽し、元の見た目に戻ってしまった。
「(ヤバい……バレた)」
ロッキーの顔には、汗が滝のように流れている。
「(1人で相手するのか?……こいつらを)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます