第35話 逃げる雪だるま……追う救助隊

【前回のあらすじ】

なんとエリザベスたちがロシアに軍事利用されそうに!

……そんくらいしか話は進んでいません。




浮遊箱人間は手を薙ぎ払って壁や床ごとロシア兵たちをえぐり取る!


「Беги! Потяните его один раз!(逃げろ!一旦引け!)」


「敵前逃亡とは情けない!逃げるな卑怯な者!!」


彼は指を鉄砲のようにすると、指先からミサイルを撃った!





ズドカァァァァァァァァァァァァァァン


物騒空間の壁 床 天井全てが崩壊し、兵士たちが血を流して倒れる。

戦車の残骸はまるでゴミのようだった。


「ふははは!さすが俺だ!エリザベスは見る目があるなぁ!

なんてったって、奴にここの警備を任されたからなぁ。

ここは、古参の俺がやるべき仕事だ」


浮遊箱人間は高笑いした!

彼の声は空間中に響いて、別の場所にいたロシア軍を引き寄せてしまった。


「Победите это гигантское существо! Хорошо показать силу России! Это хорошо! Если вы думаете, что можете поймать его с сильным парнем, поймайте его! Это в основном для военного использования!

(あの巨大生物を倒せ!ロシアの力を見せつけるが良い!強い奴で捕獲できそうなら捕獲しろ!あくまでも軍事利用がメインだからな!)」


戦車はどんどん砲撃する。浮遊箱人間は指で全て吹き飛ばした。


「はははは!弱い弱い弱い!

お前らはどうしてそこまで弱いのだ!

いや、俺が強すぎただけだな!さすがだ」


彼はミサイルを連射する!地上は戦車などの瓦礫や倒れていく人で埋め尽くされた!


「ふぅ、少し疲れたし、休むか」



彼は体を地上につけて、眠り始めた。


その上を、ロシア軍のヘリが飛んでいた。



「Найдите цель! Начните атаку!

(目標発見!攻撃開始!)」


ヘリは下に向かって銃を撃つ!


ズババババババババババババババババババババハバババババババババババババババババババババババ






「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」


浮遊箱人間は不意を突かれて、頭の上から銃を連射されてしまった!

おかげで頭を貫通し、心臓が破壊される!


「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ、やめろぉぉぉ!やめてくれぇぇぇ!

クソぉぉぉぉぉァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァやだァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」



ボロボロボロボロ………


彼は絶叫しながら消滅していった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



救助隊は、雪だるまを追って、2階へ走っていた。


「「「おい待てーーー!逃さねぇぞぉーーー!」」」


「(ひぃぃぃ、なんで、捕まんなきゃならんのーーー!

やだーーーーーーーー!!)」



雪だるまが通った所は水で濡れるので、隠れてもすぐバレてしまうのであった。



隊員たちがネットシューターを撃つ中、彼は体を自由に変えて、なんとか避けていたのだった。



「(んもっ、いい加減にしてよぉぉぉぉーーー!)」


雪だるまから、斥力が放たれた!


おかげで隊員たちは、長い廊下の向こうまで吹き飛ばされた!


「うわっっ⁉︎」「は⁉︎○ォース⁉︎」

「掴まれ!」「え……」

「なんで⁉︎⁉︎」「あれ⁉︎」

「(やべ終わったわ俺)」

「ひぃぃぃ!」「助けてーー!」


隊員たちは叫びながら飛んでいく。

雪だるまはため息をついた。


「(ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、やっと、逃げられた。

………あれ、ここどこ?)」



この空き家や物騒空間は、エリザベスによって、内部の空間が少しずつ変わっていってしまうのだ!


つまり内部はエリザベスの思うがままに変わる。

合流する事も難しいわけである。

しかも空き家は外から見るよりも、内部は広い。


これはエリザベスの空間操作能力によって、内部の空間だけが拡張されているからだ。



「(ヤバい!後ろからも来た!逃げなきゃ………あ、こんな所に扉が!)」


雪だるまは、背後から迫る救助隊から逃げるため、すぐそこにあった扉を開けて中に入った。




なんとその部屋は、田中がいる部屋だった。

彼はプラモを作っている。雪だるまが声をかけた。


「すいませーーん。

ちょっと失礼しまーーーす」


「……………」


「(え、無視?

なんかいけない事言っちゃったかな……。

それとも普段あんまり関わってないから気まずいとか……)」



ズドォォォォォォォォォン


すると、救助隊が扉を突き破って、入ってきた!



「(ええ⁉︎⁉︎ヤバい終わった僕。

まだドラゴン完成してないのに!

そんな、僕まだやりたい事あんのにーー!)」


「また来たのかよ」


突然田中が喋った。雪だるまは困惑する。


「(あの人急に喋った)」


「あの白い奴、今なら捕獲できそうです」

「ほう、ならネットシューターを大量に用意しろ。

アメリカやロシアよりも先にゲットするんだ」


救助隊はそんな会話しながら、彼らに背中を向けてプラモを作っている田中に、ネットシューターを向けた。



「(ヤバい、田中さん捕まっちゃう!)」




ズドォォォン ズドォォォン ズドォォォン ズドォォォン


ネットシューターが4発同時に撃たれた!

雪だるまは手で顔を隠す!



その時、いきなり雪だるまの体を粉砕して、青い三日月のようなものが、床を削りながら大量に飛んできた!


救助隊はそれを認識する前に、ネットシューターもろとも、血を撒き散らしながら木っ端微塵になってしまった!


部屋中に血と何かに切られたような跡が残る。

どうやら三日月が通った場所に残っているようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る