第26話 悪口合戦……からの回想
【前回のあらすじ】
ひたすらクリスマスツリーに妬まれ、恨まれ、羨ましがれている石上。
彼は他の警察官との連携によって、なんとかツリーの間合いを詰めた。
しかしツリーは、竜の頭がついた巨木を、2本も生やして反撃する!
石上はなんとか一命を取り留めたが、すでに体も心も崩壊ボロボロ。
そんな彼も、ツリーの発言を否定する。
ツリーと石上の悪口合戦が、今始まる!
……やっとあらすじらしいあらすじできた。
石上はツリーを睨んで言った。
「だいたい、自分は何かしたのか?」
「は?した?」
「お前は、何か努力でもしたのか?
リアル充実するために」
ツリーは幹を前に少し倒して考え、やがて元に戻った。
「あるわ!」
「例えばどんな事?」
「冬になる度に、リア充共を駆逐しに外出したな!
リア充共は滅ぶべきと考えているんだ!」
ツリーは自慢顔で豪語した!その目つきは少し、にやけていた。
しかし石上は顔色一切変えずに言う。
「それってお前自身は何も変わってないのでは?」
「……は?」
「お前は周りを、変えただけ。自身の事は何も変わってないからな。
ようするに、周りに暴言吐いて、自分には甘い、道徳心の無いバカな奴ってわけだ。
そして自覚してない。これはバカを超えてもはや……」
彼は大きく息を吸って言った。
「
「……は?」
ツリーの目つきが変わる!黒い目が赤へと変色した。
そして怒鳴った!
「それは貴様の頭が腐っているからだろぉぉがぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
幹の至る所から血が噴き出し、目を見開いて叫ぶその姿は、〝狂っている〟一言で済む。
ツリーは怒鳴り続ける。
「貴様のようなリア充はきっと頭が腐ってるから、まともな考えができねぇんだろぉな!
恋人に脳を侵食されて、きっと常に異常な事しか考えてねぇんだろ?
少しは日本に貢献できる脳になれよ!バカ野郎」
「いや俺、警察だぞ?めちゃくちゃ貢献してるつもりなんだが?」
「ふん、冗談は頭だけにしろ。
貴様らは少し冷やせ、全身を。
じゃないと話が噛み合わない。出直してきな!」
「と言って、お前が1番燃えているくせにwww」
「は?」
石上はツリーを嘲笑った。少し小バカにしている。
「お前、自分が1番熱くて燃えてんだろぉ?www
冷やせ、全身をwww」
「………は?」
ツリーは思い出す…………。
雪が積もるほど降った冬の日。カップルたちで街は賑わい、明るかった頃。
ツリーはその時、広場で非リアの少年と出会い、彼の好きな子とくっつかせるために、知り合いのスター(頂上の星)と共にいろいろ手伝ったのだった。
結果、その少年は好きな子とカップルになる事ができたのだった。
しかし彼自身は、何の変化も無く、そのまま倉庫へ……。
春……夏……秋……。
ずっと暗い倉庫の中で過ごし、やがて冬が来るとまた、広場に設置される。
憂鬱な気分だった。
去年の冬、一緒にいたスターも離れ離れになってしまい、話す相手がいなくなってしまったのだ。
この年の頂上の星は、自我が無い星なので、話しかけても悲しくなるだけだ。
その時、去年の冬、手伝った少年が見えた。
彼は、やはり同じ子と、イチャイチャしていた。
ツリーは心の底から燃え上がった!!!
「(なんであいつらは、ずっとあんな感じで幸せそうなんだ!
俺はスターとも別れて、誰1人話す相手もいなくなってしまったのに!
俺とスターがいなかったら、あいつはあんな幸せ、訪れなかった!
おかしい……なんで、俺はぁ、こんなに、現実で、
充実させてくれないのだ!なんで!!!!」
いつのまにか、心の声が外に漏れていた。
周りのカップルたちは困惑し、ツリーを狂人のように見る。
この時、ツリーの中の何かが切れた!
次の瞬間、彼の大量の目から、針やボールが放たれる!
周りのカップルたちは一瞬で血の海になってしまった。
真っ白な雪を真っ赤に染める血……。
彼は、なんだか気分が良かった。
スターと別れて以来、初めて幸せを感じたかもしれない。
それからツリーは、いろんな街で幸せそうなリア充たちを殺戮し、幸せを感じていた。
そしてまたいつもの通り、彼は街中で殺戮する事ばかり考えていた時、エリザベスとリストキャットを見つけた。
2人は恋人同士なのだ。今でもそうだ。
宇宙が誕生するずっと前から、2人は恋人同士なのだ。
しかし当時のツリーは、エリザベスの強さなんぞ、一切知らずに、変に攻撃してしまったため、返り討ちにされてしまった。
エリザベスは彼の強さと執念さを気に入り、アルビノの生物兵器へ勧誘した。
「お前、もしアルビノの生物兵器に入れたら、そうだな、年中活動させてやる。
そして、リア充たちを、飽きるまで殺戮させてやるよ」
「………入る。入らせてほしい」
こうして
ツリーは言った。
「……冷やしてやるよ、○体にしてな」
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