第23話 警察突入

【前回のあらすじ】

アメリカ人グループや、どさくさに紛れて入ってきたツーヨーインの社員たちを一蹴した激怒くんたち。

彼らに攻撃された社員の1人が、こっそり警察に通報したのだった。


その頃、物騒要塞の奥にある倉庫よりも奥にある広場に、雪だるまが1人でいた。

青いバケツを被っていて、手は丸い。

茶色いチェックのマフラーをつけていた。

足は無く、だるまのような体型である。


「なんか今日は皆んなが見当たらないなぁ。

外出してんのかなぁ。僕も誘ってくれれば良いのに」


彼はアルビノの生物兵器の中で1番影が薄い。

外出時も、よく忘れられていて、置いていかれる事もあるし、なんなら家の鍵をかけられて、中に入れなくなる事もあるのだ。


そんな彼も目立とうと努力しており、こうして要塞の奥で、氷のオブジェを作ってアピールしている。


しかし誰も要塞の奥には来ないのだ。

つまりこのオブジェの存在を知っているのは雪だるま1人だけ。


「早くドラゴンのオブジェ、完成させよー!」


彼は巨大な氷の塊を、彫刻刀で削り始めた。

こうして地道に削って作るらしい。

時間と労力の無駄である。


「それにしても、今日は静かで良いね。作業がはかどる」


口笛を吹きながら、気持ち良さそうに氷塊を削っていると、どこからか、サイレンの音がした。



「ん?警察?パトカー?」


物騒要塞の外側には、パトカーが何個か止まっていた。


誰かが通報したのだろうか?

到着が早いのは、場所ここがアメリカ人によってバレたからであろう。


「え、マジか。ヤバいヤバいヤバい!」


雪だるまは家の陰に隠れる。

警察が庭の前に待機していた。


兵器たちが警察の存在に気づく。警察も兵器たちの存在に気づいた。


「ハエ叩きを装着した謎の生物…機械ロボットを発見!

敵意があるようです」


「OK。攻撃しろ」


一際目立つ警察官が指示を出した。

他の警察官たちが銃を兵器たちに向ける。

兵器たちは怒り始めた!


「グォォォォォン!!!」


「攻撃が来るぞ!」


兵器は巨大なハエ叩きを警察官たちに向けて振り下ろし、攻撃する!

警察は銃を撃った!



バァァァァァン!!!


銃声が辺りに響く。

雪だるまは怯えた。


「ひっ、怖っ!に、逃げないとぉ………」


しかし家の玄関は、警察がいる側にあるので、必ず警察のいる所へ行かなければならない。

雪だるまは家の周りの物騒要塞の1番奥にいるのである。



兵器たちは次々と表に出ていき、警察たちを圧倒した。

一際目立つ警察官が呟く。


「さすがはアルビノの生物兵器……」


警察官たちは銃を撃って攻撃するが、兵器たちには全く通用しない!

そのうち、1体の兵器が、両腕のハエ叩きをバチン!!!と叩いた!



その瞬間、周囲の建物やパトカーが砕ける!

警察官たちが血を噴き出し、腕や足が吹っ飛んだ!


「ひやぁぁぁァァァァァァァァァ!」



雪だるまも吹っ飛んだ!

どうやら兵器が放ったのは衝撃波のようだ。

しかし、空き家は吹き飛ぶ事無く、特に何も変わらずに、そこに突っ立っていた。



「………ゔっ……」


先ほどの一際目立つ警察官が立ち上がった。

彼は吹き飛んだパトカーの下敷きになっており、服は破け、血だらけになっていた。


「(せっかくここで良いとこ見せて、昇格や金持ちになれるチャンスだったのに……終わってたまるか!)」


彼は倒れている警察官の銃や盾を奪い、1人、空き家の中へ入る。


兵器たちはその事に全く気にしてなかった。

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