第21話 現実を構成する者たち

【前回のあらすじ】

エリザベスによって、物騒空間に落とされたアメリカ人の一部は、アルビノの生物兵器の1人[現実くん]と出会した。

銃を撃って現実くんを頭と胴体に真っ二つにしたが、なんとその頭と胴体が、[激怒くん]、[テンションくん]となり、アメリカ人たちを返り討ちにしてしまったのである。





激怒くんが口を開く。


「どうやら他にもアメリカ人たちがこの空間内にいるようだな。

お前は向こうを探せ。俺はこっちを探す」


激怒くんは言う通り、を探しに行ったが、テンションくんが反論する。


「待ってよぉ、俺もそっちに行きたいwww」


「これは遊びじゃない。お前は現実を楽観視しすぎだ。

エリザベスの野郎が攻めてきたアメリカ人全員を物騒空間に落としてしまうから、早く全滅させる必要があるのだ」


「なら一緒に行動した方が良いんじゃない?www」


「だから、それだと時間がかかりすぎてしまうだろ!少しは頭を使え!

我々アルビノの生物兵器は、心臓を破壊されると一時的に消滅してしまうだろ!

普通に破壊されただけなら、すぐに復活できるが、アルビノの生物兵器全員同時に心臓を破壊されると、永遠に復活できなくなるのだ!

だから、集団行動すると、そのリスクが高まるというわけだ。少しは考えr」

ブシャァァァァァァァ


激怒くんはそう言い終わる前に、頭が吹き飛んだ!


「⁉︎⁉︎」


ブシャァァァァァァァ!


ついでにテンションくんの頭も吹き飛んだ!



どうやら、別のアメリカ人グループが、彼らを銃で撃って、真っ二つにしたようだ。


「チッ、まだいたか、虫めら」


激怒くんの吹っ飛んだ頭が変色し、変形し、うつの形のお面に変わった!



「What, weak, isn't it? These guys.(え、弱くね?こいつら)」


アメリカ人たちは彼らを嘲笑う。しかし、案の定、新しい現実くんのような奴が出てきた。



スタッ



「………なんでなんだよ、寝てただけなのに」


鬱の形のお面を被った分裂体は、ブーメランをアメリカ人に向かって投げる!


「「「What!?︎」」」

ブシャァァァァァァァ



ブーメランは超高速で、彼らが反応できない程のスピードで、彼らを切り裂いた!

一瞬にして廊下は血だらけになる。

壁や床はブーメランが切り砕いた傷で溢れていた。



「俺はぁ、寝たいんだよぉ。いい加減にしろよぉ」


鬱が愚痴を言いながら、戻ってきたブーメランをキャッチする。


「鬱、お前はこの廊下の天井に穴を開けて、上を警備しろ。

俺とテンションは向こうを警備するから。

おいテンション、いい加減胴体だけの状態で立ち尽くしているのをやめろ。

腹が立つ」


激怒くんが2人に指示する。テンションくんは頭を再生して喋った。


「ごめんよぉw」


「ったく、少しは真面目にやれ。

人間共を駆逐するのは、そう難しい話ではない。

お前は爆弾を敵に向かって投げていれば良いのだ」


「そうだよ。……あぁ眠い」


「起きろ、鬱。こんな時に寝ている場合ではない」

「そうだよ鬱くん」


「どの口が言いとる」





彼らの様子を、飛び交うブーメランを避けて、壁の陰に隠れて見ていた者がいた。


彼は日本人のようだ。ツーヨーインの名札をつけているので、おそらくツーヨーインの社員だ。

なんと彼らも、物騒空間に来ていたようだ。

まぁ、自分の会社の監視カメラに映っていたUMAを捕獲しないほどそこまで裕福な会社ではないのは確か。



「(なんだあいつら………。

上司の命令で、アメリカ人に紛れて来たけど、まさかこんな所に落とされるとはな……)」


社員が戦慄しながら、スマホで激怒くんたち3人を撮影した。


「(この証拠映像を持っていけば、結構有名になるんじゃねーかぁ?

結構近い!こりゃすげぇ映像になるz)」


ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!



突然、社員の腹を、誰かの腕が貫いた!

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