第20話 分裂

【前回のあらすじ】

突然アメリカ人たちが、エリザベスたちの家を襲撃してきた!

ちょうどその時一緒にいた高橋は、エリザベスに逃された。

エリザベスは、物騒空間にアメリカ人たちを全員落として、一掃してしまう予定らしい。




「えぇ⁉︎嘘でしょぉぉ⁉︎⁉︎⁉︎」


現実くんは物騒空間の廊下で、大きな声で絶叫した!

どうやらすしと電話で会話しているようだ。


「し、静かにしてくださいよ……。

とにかく、エリザベス様からの命令です。

ヨーワーインの未来と我々の存命がかかっているんです!

よろしくお願いしますね」


「やだぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」


「静かにしてくださいよ……」


現実くんは、地面に横たわって、子供のように泣き叫んだが、やがて落ち着いた。


「ハァ、やれば良いんでしょ……やれば」


「そうですよ……では」


ガチャッ


すしは電話を切った。現実くんは怒鳴る。


「どうしてそこで切るんだよぉぉぉぉぉぉぉぉo(自主規制)」



「I found it! It's a biological weapon!(見つけた!生物兵器だ!)」


こんなに大声出して泣き叫ぶから、アメリカ人に見つかってしまった。

廊下の奥の方から、10人ほどいる。


「ひぃぃ!」


現実くんは涙を流しながら逃げる!


「誰がぁぁ、助けてーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


「He's weak. It's easy to catch.(あいつは弱いな。簡単に捕まえられる)」


ズキュン!



1人が銃を撃った!




ズバァァァァァァァァァァァァン





現実くんの背中に銃弾が直撃し、真っ二つに割れてしまった!

胴体はその場に直立したままだが、頭は回転しながら吹っ飛ぶ!


「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ、やられたァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」


「Easy win!(楽勝!)」



割れた現実くんの2つの肉片のうちの、頭の方が、少し変形した。


胴体も少し色が変わってきて、何か生えてきている。


「Hmm?(ん?)」



やがて頭の方の肉片が変形し、変色すると、手足が生えてきた!



スタッ!


そして着地する。彼?の手には爆弾があった。


「「「「⁉︎⁉︎⁉︎」」」」


ポイッ



そいつが爆弾を、アメリカ人たちがいる方へ投げる!



「Huh!?︎!?︎」「Wait!」「Wait!」


ズドカァァァァァァァァァァァァァァン



壁や床が砕け散り、瓦礫が飛び交う。砂埃が舞う。

彼らは全員、爆発に巻き込まれてしまった。





「ふっ」


頭が変形した方が笑う。彼の顔には、現実の文字は無く、代わりに、青いテンションと書かれたお面をしていた。



「あー面白い。テンション上がるわ。

なぁ?激怒くん」


彼は胴体の方に言う。すると、胴体から頭が生えてきた。

顔には現実ではなく、激怒と書かれたお面をしている。

激怒くんと呼ばれたそいつは、口を開く。


「何も面白くない、テンション。俺はただひたすら腹が立つだけだ!」


「テンションくん、と呼んでおくれよ」


彼は手から錫杖しゃくじょうを出した。

すると、爆発に巻き込まれたアメリカ人たちに向かって、錫杖から雷が放たれた!



バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッッッッッッッッッッッ!!!!!!


雷はアメリカ人たちを痺れさせ、絶叫させ、肉を引き裂いた!


「俺の雷に触れたが最後、お前らの肉や骨は全て機能停止する」


激怒くんがアメリカ人たちに向かって怒鳴る!

テンションくんが騒いだ。


「綺麗だねぇ、相変わらず君の雷は」


「黙れ、気が散る」


錫杖から雷を放つのをやめると、廊下は辺り一面、黒く焦げていた。

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