第19話 ……そして決戦へ

【前回のあらすじ】

ついに存在どころか、住所までバレてしまったアルビノの生物兵器!

そんな中、1台の車が、物騒要塞に現れたのだった。



車から誰か降りてきた。2人は警戒する。


「どうも」


サングラスをかけた男で、顔は見えない。

彼は口を開いた。



「お宅がアルビノの生物h」

ブシャァァァァァァァ


男の胴体は真っ二つになり、地面に転がった。

高橋は若干引いた。エリザベスは言う。


「もう来やがった……」


「ちょっと待って!」


高橋が男の服を見た。


「これは、ツーヨーイン!」

「は?」


「うちのライバル社です。

……まさかツーヨーインにも知れ渡ってるなんて……しかも行動が早い」


その時、物騒要塞の外側に、車が何台も現れ、銃を持った大柄な男たちが降りてきた!

顔は日本人ではない……とすると、アメリカ人だろうか?


高橋は冷や汗をかきながらも、エリザベスをそっと、後ろへやる。


男たちが言った。


「That penguin is the biological weapon of albinism, right? Give it to me(そのペンギンこそがアルビノの生物兵器だろ?よこせ)」


「No way! He's not an alkino biological weapon! And this is private property! Don't come in without permission.

(ダメだ!彼はアルビノの生物兵器なんかじゃない!それにここは私有地だ!勝手に入ってくんじゃない)」


「Then even by force...(ならば力ずくでも……)」



男たちは銃を向け、2人を狙う。




「チッ、どうなっても知らないからな」


「What are you saying? That penguin.(なんて言ってんだ?あのペンギン)」



次の瞬間、「逃げろ!」とエリザベスが高橋に叫んだ。



「え⁉︎」


ドバァァァァァァァァァァァ!




エリザベスと大柄な男たちの足下に、穴が現れたかと思うと、高橋以外のそこにいた全員が、その穴に落ちていった!


「ハァ⁉︎」


「社長に知らせておけ!こっちは問題無いと!」


エリザベスが落ちていく最中に叫んだ。

その声もどんどん聞こえてこないくなっていく。


「え………」



高橋は激しく動く心臓を、無理に抑えて、会社へ電話した!



「もしもし、社長!」


「どうした⁉︎」


「エリザベスがぁ、ハァ、エリザベスがアメリカ人たちを、物騒空間に落としていきました!ハァ」


「なん、だと⁉︎」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



物騒空間に落とされてしまった男たちは、予想外の出来事に、驚きを隠せなかった。


「Where is this place!(どこだここは!)」


「It's cold... I don't know why, but my body trembles with fear. It's my first feeling.

(寒い………なぜかは知らないが、恐怖で体が震える。初めての感覚だ。)」


なんとか戦おうとする彼らは、銃やナイフを握る。

隊長のような男が無線を使って連絡を取った。


「It's okay, it connects properly. This is Team A, everyone has been dropped into a strange space!(大丈夫だ、ちゃんと繋がる。こちらA隊、全員変な空間へ落とされてしまいました!)」



その頃エリザベスは、物騒空間内にある、自分の部屋に戻っていた。

少し薄暗く、巨大なベッドが置いてある部屋だ。

奥にはキッチンとシャワールームがある。


部屋の中にはリストキャットがいた。

空中に猫の顔を描いただけのような、簡単な見た目である。

実は2人は、恋人同士でもあるのだ。


「あ、おかえり!」


リストキャットが言う。

彼?彼女?はキッチンで皿を洗っていた。


「ただいま。お前、部屋の外には出るんじゃないぞ」


「え、どうして………」


「物騒空間内に敵を落とした。

これから一掃するから、それまで部屋で待っているんだ。

大丈夫、俺が必ずお前を守る。どんな事があっても」


「あら素敵」


リストキャットの目がハートに変わった。

エリザベスは2人でキスをし、部屋を出ていった。



ガチャッ……



部屋の前で敵がいない事を確認すると、エリザベスは携帯電話を出して、アルビノの生物兵器たちに電話した。



「はいもしもし」


すしが電話に出た。彼も今、物騒空間にいるようだ。



「これから、敵を一掃するだけの、暗殺よりも簡単な仕事をする。

他の奴らにも伝えておけ」

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