第18話 真相……

【前回のあらすじ】

ついに世界に存在がバレてしまったアルビノの生物兵器。

エリザベスは、高橋を家に呼んだのだった。

そして、田中に相談された事を打ち明けた。




「田中は、ゲームのバグチェックの仕事をしていたんだ」


エリザベスが話し続ける。高橋は真剣に聞いていた。


「ある日彼は、仕事が嫌になり、とうとう仕事を無断で抜け出したんだ。

追跡されるのを防ぐため、追跡バッジを盗んでいってな。

その帰りで、彼は偶然アメリカ人の暴力団に見つかってしまったのだ。

田中はぁ、見逃してもらえる代わりに、追跡バッジを奴らに渡した。

その暴力団こそが、イスを攫った黒スーツの男たちだ。

奴らは俺らを生物兵器だと田中に教えてもらい、戦闘用の手下として活用するために攫っていたらしい。

なんともまぁ、田中あいつが原因ってわけよ」


話し終わるとエリザベスは、煎餅を齧る。

そして、無言で煎餅を高橋に差し出してきた。


「食え」

「え、あ、ありがとうございます」


ついに念願のフグの煎餅!

しかし、今の彼、高橋には複雑な気持ちがあった。

心が喜んでいる場合ではなかった。

素直に喜んで、美味しく食べれない。


高橋は無心で齧った。

フグの味はするものの、やはり複雑な気持ちが邪魔して落ち着けない。


「なんかぁ、すみません」

「気にするな」


2人は、物騒要塞にいる紫の兵器たちを優雅に眺めた。

その様子を、箱人間メイドはそっと見ていた。


「(エリザベス様、ついに人間を信頼されたのでしょうか……)」







◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


社長は、社内のテレビのある部屋で、ニュースを見ていた。


からだ。


普段飲んでいるコーヒーも飲む事無く、真剣にテレビを眺める。


新聞もソファの横にある小さい机に乗っている。ラジオもある。

彼はまるで、情報の要塞と化した。






コーヒーのCMが終わった直後、お目当てのニュースが報道された。



「今日午前9時頃、が、公開されました」


「⁉︎⁉︎⁉︎」


社長の動きが止まり、体が、目が、神経が、脳が、全てテレビに集中された!

キャスターの発言の直後、ツーヨーインの監視カメラの画像が画面に映る。

案の定、箱人間とムムムさんが映っていた。


「公開されたものは、アメリカのネット掲示板で、『アルビノの生物兵器はUMA集団である。もし1匹でもできたなら、私に譲ってほしい。その時は報酬として、現金1億円をやる』との事です」


「⁉︎⁉︎⁉︎」


社長の顔には汗が滝のように流れる!


「(た、高橋に、知らせなければ………)」


慌てて携帯から彼に電話しようとするが!社長は焦りすぎて思うように指が動かせない。



プルプルプルプル………



「はいもしもし……あ、社長!」


やっと高橋に繋がった。社長は言う。


「た、高橋!エリザベスたちを連れて、今すぐそこから逃げろ!

会社へ戻るんだ!」


「え⁉︎」


「早く!!!!!!」


「な、なんで?」


「アルビノの生物兵器の住所がバレた!その家にいたら捕まるぞ!」


「⁉︎⁉︎」


「お、おいなんだと⁉︎」


フリーズした高橋から携帯を奪い取って、エリザベスは怒鳴る!


「その住所はいつ流出したっ⁉︎」


「9時だ!」

「ヤバいじゃねーか!今のうちに他の奴らにも知らせないとな!

すしや現実くんを呼ぶ必要がある……」



その時、突然謎の車が、物騒要塞内に入ってきた。


「「⁉︎」」

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